ワールドカップ(W杯)・ロシア大会(6月14日開幕)の日本代表23人に選出された元新潟のDF酒井高徳(27=ハンブルガーSV、三条市出身)が今日2日、代表チームとともに事前合宿地のオーストリア・インスブルックに出発する。前回14年ブラジル大会に続いて選出された酒井は、地元新潟の期待を背に、W杯のピッチに立つことを目標にしている。

 酒井が不退転の決意でW杯に臨む。代表メンバー発表から一夜明けた1日は都内に集合。代表の一員として2日にインスブルックに向かう。代表決定後に所属事務所を通じて「2014年ブラジルでの敗戦、そして出場できなかった悔しさを糧にこの4年間、必死で日々過ごしてきました」「新潟県民の代表としてロシアの地で戦いたいと思います」とコメントした。

 ドイツでのシーズンを終えて帰国し、5月18日から20日まで古巣新潟の練習に参加したとき、すでに決意を口にしていた。「どんなときも新潟のファンは応援してくれている。だから期待に応えないと」。10年南アフリカ大会はサポートメンバーとして日本代表に同行。そして前回のブラジル大会は新潟県出身者として初のW杯日本代表入りを果たした。ただ出場機会はなかった。W杯で戦う姿を新潟県のファンに見せるのが5年越しの目標だ。

 親善試合ガーナ戦(30日)では後半から出場した。右ウイングバック、右サイドバックとサイドポジションに入り、突破からのクロス、ミドルシュートと攻撃的なプレーでアピールした。ハンブルガーSVでは両サイドバック、ボランチ、3バックの最終ラインもこなしている。日本代表の西野朗監督(63)が求める多様性がある。またチームでは主将も務め、リーダーシップも身に着けつつある。

 日本代表は現地時間の8日にスイス、12日にパラグアイと親善試合を行う。W杯1次リーグ初戦は19日のコロンビア戦。その後、24日にセネガル、28日にポーランドと対戦する。酒井は成長した姿を実戦で披露する場と位置付け、開幕を待つ。

 ◆酒井高徳(さかい・ごうとく)1991年(平3)3月14日生まれ、三条市出身。大崎小5年で三条SSSでサッカーを始める。大崎中ではレザーFCジュニアユース、開志学園高に入学して新潟ユース(現新潟U-18)に所属。高校卒業後にトップチームに昇格した。09年J1開幕戦の東京戦でプロデビュー。11年12月にドイツ・シュツットガルトに移籍し、12年2月のヘルタ・ベルリン戦で初出場。15年7月にハンブルガーSVに移籍。12年9月の国際親善試合UAE戦で日本代表デビュー。176センチ、74キロ。