サッカーW杯ロシア大会に出場する日本代表が11日、事前合宿地のオーストリア・インスブルックで、国際親善試合パラグアイ戦(12日)に向け、試合会場で前日の公式練習を行った。

 冒頭約15分だけ公開。その公開部分でウオーミングアップする仲間と離れ、MF大島僚太(25)はスタッフとピッチの周囲を歩いていた。

 8日スイス戦(ルガノ)で腰を打撲し、10日も宿舎で別メニュー調整だった。軽症だというが、パラグアイ戦の出場は厳しいとみられる。

 取材対応した大島は無理はしないと、慎重だったが回復は実感しているようだった。

 中盤の攻守の切り替え役として、代えの効かない存在になりつつある。

 チーム内では戦い方のすり合わせが進んでいる。経験はないが、存在感を増している大島は、意見交換しチーム作りを急ピッチで進める現状を「海外でやっている選手がいますし、国内でやってきた選手がいる。やってきたことが成功してそれを自分の戦術だとか考えになっている部分はある。若手の出す意見も尊重して選手同士のコミュニケーションを大事にしてくれている部分もすごくあるので、全員が成功体験を話すことによって、1つの方向にいかないっていう部分はあるので、そこはすごく難しい」と正直に語った。

 ただ、ネガティブになっているわけではなく、その中で戦えるチームの形を模索し、ともに作り上げようとしている。まとまる部分、方向性を「もちろん、考えを全員主張しつつ、経験したことない選手にとっては、思っていないことが起きることの方が多い。コロンビアなんかは、対戦したことのある選手もいる。ただ、シチュエーションは全然違うわけで、そういう意味では、みんなが意見を出しつつ、経験した選手の意見はしっかり受け止めながらいきたいなと思います」とした。

 ここからパラグアイ戦を終えて、仕上げに入る。「みんな言っていますけど、まだこれというところには…。もちろん毎回対戦相手は違いますし、特徴も違いますから。結果が出て話し合うことが多いので。ただ、本大会はそれではもう間に合わないので、試合前にどうやって戦うというのは、自信を持って臨めるところまで話し合う必要があると思います」と結んだ。

 頼れる中盤の要は、しっかりと自分の思いを、丁寧に、的確に語ることができる。前任者のハリルホジッチ監督が「声が聞こえない」と嘆いていたのとは別人のように、うつった。