日本代表MF柴崎岳(26=ヘタフェ)が、明日19日のW杯初戦コロンビア戦で先発することが確実になった。関係者によると、17日までの非公開練習で主力組のボランチで固定された。柴崎と鹿島に同期入団したDF昌子源(25)にも先発の可能性が浮上。ともに「プラチナ世代」(92年生まれ)で、同世代がW杯で先発するのは初めて。ようやく台頭した次世代の主軸たちが、夢舞台に並び立つ。

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 柴崎が先発を勝ち得た。パラグアイ戦では効果的な縦パスを通し、相手守備を乱すスイッチを入れた。鍵を握るセットプレーのキッカーとしても、FKからチーム3点目となるオウンゴールを誘発。スペインで磨く質の高さを示し、西野ジャパン初勝利に貢献した。

 勢いそのまま、コロンビア戦で長谷部とダブルボランチを組む。非公開調整を終えた柴崎は「いい準備ができたのでピッチで出すだけ。自分のサッカー人生も日本サッカーも変わるかもしれない、大きな大会という自覚はある。ただ、特別な気持ちは持たずにプレーしたい」と静かに語った。

 大舞台で力を発揮してきた。中学も高校も全国大会の決勝に進んだが「普段の試合も決勝も気持ちが変わらないスタイル」。世界にスケールアップしても同じだ。16年のクラブW杯決勝ではRマドリードから2得点。昨年もリーグ戦でバルセロナから得点した。「特別なことは何もしない。いつも通り」。その積み重ねで夢のW杯に行き着いた。

 その柴崎と、鹿島に同期入団の昌子にも先発の可能性が出てきた。パラグアイ戦の出来が評価され、病み上がりにもかかわらず、非公開練習で槙野に代わって左センターバックに抜てきされた模様。「黄金世代」を上回る願いを込め、命名された「プラチナ世代」がW杯で先発すれば初めて。しかも2人同時だ。筆頭格だった柴崎と、無名からA代表で肩を並べるまでになった昌子が新時代を築く。

 4年前は柴崎のサプライズ選出が期待されたが、ブラジル切符は届かず。W杯5大会目で初めて鹿島から代表を輩出できなかった。その時、おぼろげながらも「ロシアでは主力で」と決意した2人が、そろって先発をつかむ瞬間が明日に迫る。昌子は取材対応日ではなかったが「(期待しない)ファンに手のひら返しさせたい。それができるのは選手」と意気込んでいる。鹿島ライン、プラチナ世代コンビの2人が結果で日本を盛り上げる。【木下淳】

 ◆プラチナ世代 92年生まれで、早くから頭角を現した柴崎に加え宇佐美貴史、宮市亮らが代表格。09年のU-17W杯ナイジェリア大会で、ネイマールを擁するブラジルに敗れはしたが気後れすることなく撃ち合った試合(2-3)は語り草。79年生まれの小野伸二、稲本潤一ら「黄金世代」との比較から、「プラチナ」になったとされる。武藤嘉紀、昌子源、杉本健勇もそうで、93年、早生まれの大島僚太、遠藤航も同世代。