ベルギーのエースFWルカクが、大好きなママへゴールをささげた。パナマを3-0で下し、1次L突破へ白星発進。1-0で迎えた後半24分と30分にエースが立て続けにゴールを挙げた。チームメートと喜んだ後、カメラに向かって「ママ」と言いながら右手に2度キス。14年ブラジル大会に続き、母への感謝を込めたゴールセレブレーションを送った。

 試合後に「エデン(アザール)やケブ(デブルイネ)らが良いボールを出してくれる。だから僕がゴールを決めることは簡単な仕事だよ」と笑顔で話した。

 幼少期に極度の貧困生活を送った。パンを買うお金すらないほどだった。家にテレビがなく、2~3週間まともに電気をつけられない時もあったという。当時「ママ(この生活は)変わるよ。僕はアンデルレヒトでプレーするから。もう何も心配しないで」と母への約束とともに、誓いを立てた。

 04年、当時2部だったリールセに入団。06年に念願のアンデルレヒトに移籍を果たした。今ではマンチェスター・ユナイテッドのエース。代表では25歳にしてベルギー最多得点記録(38)を更新し続けている。優勝候補の一角に挙げられるが「いい練習をして最高のパフォーマンスをするだけ」と平常心。悲願の初優勝へゴールを量産する。