ロシアが「史上最弱代表」の下馬評を覆す2勝目をあげた。6万5000人近いホームの応援を味方に、後半に一気にオウンゴールを含む3得点を挙げ、エジプトに3-1で快勝。ウルグアイがサウジアラビアに勝利したため、1次リーグ突破を決めた。

 ワールドカップ(W杯)までは結果が出ず、国際サッカー連盟(FIFA)ランキングは参加32カ国中最下位の70位。だが、決してまぐれの勝利ではない。初戦でウルグアイに健闘した相手を分析し、戦略に合った196センチの大型FWジュバをワントップで起用。これがはまった。ロングボールやクロスを多用して相手の守備陣を消耗させ、後半に攻撃をたたみかけた。初戦2得点のチェリシェフが2戦連発の3点目を決めるなど選手も伸び伸びとプレー。チェルチェソフ監督は「23人全員の力を信じている」と自信にあふれた表情で語った。

 大会前は、冷ややかな目で見ていたロシア国民やメディアも態度を一変。エジプト戦後の20日未明まで、モスクワ中心部など各地でお祭り騒ぎとなった。さらに、試合直後はまだ1次リーグを突破できない可能性があるにもかかわらず、各メディアは「突破決定」と勇み足で報道した。エジプト戦を生中継したロシア国営テレビのアナウンサーは「32年待った決勝トーナメントに進出だ」「チェルチェソフ監督は非常に重要な課題を果たした」などと絶叫。インタファクス通信も「1次リーグ突破」と速報した。

 ホスト国として快進撃で大会を盛り上げている。86年以来の決勝トーナメント進出を決めた今、4位に入った66年の再現も夢ではない。