2大会ぶりの王座奪還を目指すスペインは引き分け以上の結果で、決勝トーナメント入りを自力でつかめる。対するモロッコは善戦を続けたが、イラン、ポルトガルに2連敗でグループステージ敗退が決定している。初戦の引き分けから、上昇カーブを描いていきたい「無敵艦隊」にとっては、モチベーション維持が難しい状況にある相手を、今後の弾みとして下したいところだ。

 スペインは初戦のポルトガル戦では3-3の打ち合いの末に引き分け。第2戦のイラン戦では時には6バックを敷く超守備的戦術に苦しみ、本来の流れるようなパスワークも十分に発揮できていない。終盤には猛攻を許した。22戦無敗としながらも、同国内でも調子が上がらない代表への批判の声も聞こえるようになり、モロッコ戦の内容こそが鍵となる。

 大会直前の13日に、レアル・マドリードの監督就任が発表されたロペテギ前監督を解任するドタバタ劇があった。コーチだったイエロ氏が昇格人事で監督となったが、その采配が輝きを見せている場面はまだ少ない。チームを率いて3戦目。先発布陣の交代、選手交代なども含めたマネジメントを問われる試合となる。

 モロッコに残されている結果は、優勝候補を破って20年ぶりの本大会出場の最後を飾ることだけだろう。フィジカルに優れた持ち味の守備力は健在だが、攻撃では2試合無得点。もし無得点のまま大会を去ることになれば、10年大会のアルジェリアとホンジュラス以来となってしまう。W杯過去15戦では2勝しかできていないが、その2勝はともにグループステージ最終戦だった。「二度あることは三度ある」で、一矢を報いることが出来るか。

 ◆放送 日テレ 26日午前2時40分