98年ワールドカップ(W杯)フランス大会から4大会連続で参加したGK川口能活(42=相模原)は、96年アトランタ五輪メンバーとして「マイアミの奇跡」を起こした。ブラジル撃破の陰には西野監督の入念な分析があった。

 食事会場ではブラジルの試合映像が流され、ミーティングルームは壁中に相手選手の特長、長所と短所を書いた紙が張られた。「勝つための準備はしていた」。

 ポーランド戦について「前の2試合は研究して狙い通りのサッカーができたと思うけど、どの選手が出てくるか分からないし、今度は未知数」と警戒。「追いついて引き分けていい流れで来ている。きっとやってくれる」と期待を寄せた。

 ◆96年アトランタ五輪1次リーグ 各組2位までが決勝トーナメント(T)に進出する方式で、D組の日本は初戦でブラジルと対戦。いわゆる「マイアミの奇跡」で1-0と白星スタートを飾った。

 だが、2戦目で同じく初戦を1-0で勝っていたナイジェリアに0-2と敗戦。ブラジルがハンガリーに3-1で勝利したため、第2戦を終了してナイジェリアが勝ち点6、ブラジルと日本が同3。日本は得失点差で3位に転落した。

 得失点差で劣る日本は最終のハンガリー戦で大量得点差での勝利が求められた。そこで3-2と勝利したものの、ブラジルがナイジェリアに1-0で勝ったため勝ち点6に3チーム。日本は得失点差で2ポイント及ばず、1次リーグ敗退となった。