日本代表の西野朗監督(63)が、W杯ロシア大会後も引き続き、日本代表の指揮を執る可能性があることが28日、分かった。

 4月にハリルホジッチ前監督の電撃的な解任を受け、技術委員長から監督に。W杯まで約2カ月半、実質的なチームの活動は約1カ月という中で、1次リーグを突破した。任期はこのW杯までとなっている。

 日本協会は短期間でチームを立て直し、1次リーグを突破した手腕を評価。引き続き指揮を執ることになれば、6度目W杯出場の日本が大会後も監督を代えない初めてのケースとなる。1次リーグ初戦でコロンビアを2-1で下し、セネガルとは2-2で引き分け、2度リードされたが追い付く勝負強さを示した。思い切った選手起用など、勝負どころを読む、徹底した采配が評価されている。

 日本代表監督を推挙する日本協会の技術委員会は、5月の会議で次の監督選定の要件などを話し合った。日本人監督を推す声があり、すでに候補として20年東京五輪に向け同世代のU-21(21歳以下)日本代表の森保一監督のA代表兼任案が浮上。その森保監督も、西野監督のもとでA代表のコーチを務める。このまま西野-森保体制が続けば、継続的な世代を超えた強化も可能になる。

 技術委員会の中には、この大会の結果を受け「続投の流れになるだろう」との意見もある。何より、ハリルホジッチ前監督を解任し、後任に西野監督を据えた日本協会田嶋会長の指揮官に対する信頼が厚い。同会長は去就については語らなかったが、1次リーグ突破を最優先させたなりふり構わぬ采配を「度胸ある、素晴らしい采配」と高評価した。新体制は7月のW杯後の技術委員会をへて、9月の理事会で正式に新体制が決まる見込み。日本代表は2大会ぶり5度目の優勝を目指すアジア杯(来年1月5日開幕・UAE)を控える。