イングランドがPK戦の末に勝利をおさめ、3大会ぶりの8強進出を決めた。イングランドは7日の準々決勝でスウェーデンと対戦する。

 前半は両チームともになかなか決定機をつくれずに時間だけが過ぎる展開となる。序盤はイングランドが流れを握り、前半16分には右サイドのMFトリッピアーのクロスボールにFWケーンが合わせるも、枠をとらえることができず。対するコロンビアは右ふくらはぎを痛めてベンチ外となった司令塔のMFロドリゲス不在が響き、なかなかチャンスを作ることができない。同ロスタイムにMFキンテロがミドルシュートを放つも惜しくもゴールとはならず。互いに探りながらスコアレスで前半を折り返した。

 拮抗(きっこう)していた前半とは対照的に、後半に入ると、すぐに試合が動いた。後半9分、イングランドの右CKの競り合いで、コロンビアのMF、C・サンチェスがペナルティーエリア内でケーンを倒したとしてPKの判定。これをケーンがゴール中央に豪快に蹴り込んで先制に成功。ケーンは5得点で大会得点ランク単独トップだった記録を6得点に伸ばす。

 追いつきたいコロンビアは36分、FWバッカが相手DFラインでボールを奪うと一気にカウンターを仕掛ける。最後は右サイドを駆け上がったMFのJu・クアドラードがシュートを放つもゴール上に外れ、同点にはできず。41分にはDFモヒカの左サイドからのクロスボールにFWファルカオが飛び込むも、ヘディングシュートは枠をとらえきれない。

 このまま試合終了かと思われた後半ロスタイムに、劇的な展開が待っていた。コロンビアが右CKを得ると、これにDFミナが頭で合わせ、土壇場でコロンビアが試合を振り出しに戻す。ミナは今大会、CKから3試合3得点と抜群の決定力でチームを敗退の危機から救い、これにはスタンドで見守っていたロドリゲスも関係者と抱き合って喜びを爆発させた。

 試合はこのまま延長戦に突入。延長前半14分には左サイドのクロスボールにファルカオが頭から飛び込んでチャンスを作るなど、同点に追いついたコロンビアが勢いを取り戻してイングランドを攻め立てる展開となる。しかし延長後半になっても両者チャンスを決めきれずに、試合の行方はPK戦へともつれ込むことになった。

 運命のPK戦では、互いに1人ずつが失敗して迎えた5人目で、先攻のコロンビアのFWバッカが失敗。対するイングランドはMFダイアーがきっちりと決め、過去3大会で経験し、3度とも敗れてきた苦手のPK戦を制して3大会ぶりの8強進出を決めた。コロンビアは右ふくらはぎを痛めてベンチ外だった司令塔のMFロドリゲスの不在が響き、2大会連続の8強進出はかなわなかった。