フランスは2-0でウルグアイに勝って4強入り。決勝進出を懸けて10日(日本時間11日)にベルギーと対戦する。

 先発の平均年齢25・1歳と若いフランスが、円熟したウルグアイの守備を破った。前半40分の右FK、グリーズマンはいったん動きを止めてタイミングをずらし、その間にバランがマークを外して飛び込むヘッド弾。事前に「ペナルティースポット狙いの球で」と打ち合わせ済みだった。

 相手はここまで4試合で1失点、その堅守に対抗するため有効なのがセットプレーとミドルシュートだ。その「お手本」だった。後半16分、グリーズマンがペナルティーエリア外からのシュートで加点した。

 相手が攻撃的選手を入れて前がかりになると、197センチ、87キロと大型の守備的MFヌゾンジが投入され、次々と攻撃の芽を摘み取った。逃げ切り勝ちの「お手本」。3大会ぶりの4強入りを果たし、デシャン監督が主将だった98年大会以来の優勝も見えてきた。

 グリーズマンはゴール時にニコリともしなかった。「ウルグアイ人をリスペクトしているから」。相手DFゴディンはアトレチコ・マドリードの同僚で、娘ミアちゃんの名付け親になってもらった仲だ。プロデビューしたレアル・ソシエダード時代の恩師ラサルテ氏も同国出身。友人や恩人を思いやる、人間としての気品がにじんだ。

 ▼南米勢に1大会3勝 フランスが準々決勝で南米のウルグアイに勝利。1次リーグ第2戦のペルー、決勝トーナメント1回戦のアルゼンチンに続いて南米の3カ国から勝ち星を挙げた。1大会で南米勢に3勝は、クライフを擁して準優勝した74年大会のオランダ以来44年ぶり2チーム目。