人類最速の男ウサイン・ボルト(31=ジャマイカ)はこれまでも度々サッカーへの愛を公言してきた。

 マンチェスター・ユナイテッドに入団することが夢だと語り、欧州メディアによると今回の代表ウイークの間に、ドルトムントの練習(トライアウト?)にも参加するという。

 それに先がけ、ボルトは自身のツイッターにドルトムントのユニホーム姿でサッカーをプレーする映像をアップした。

 ジャマイカのグラウンドと思われる場所で、地元のチームに混じってボールを蹴るボルト。右クロスをヘディングでゴールするシーンもあった。

 そこには「最初の日からみんなが、オレにはできっこないと言い続けてきた」という一文と、#AnythingIsPossible(何だって可能)#DontThinkLimits(限界を考えるな)というハッシュタグが添えられていた。

 ただ、ボルトの挑戦を一刀両断で否定するレジェンドもいる。

 ESPN電子版がサッカー情報サイト「ソー・フット」の記事を元に報じたところによると、かつてバルセロナとスペイン代表を世界の頂点へと導き、38歳となった現在もアルサド(カタール)でプレーするMFシャビが、ボルトの挑戦を「不可能だ」と言い切っている。

 シャビは「私はウサイン・ボルトが大好きだ。素晴らしいアスリートで、フィジカルでは誰もかなわない。誰が彼より速く走れるというんだ」と前置き。

 その上で「失礼を承知で言うが、彼はサッカーのピッチでは違いを生み出すことはできない。判断の速さや、サッカーにおける頭の良さは、決してフィジカルでは置きかえることができない。それは不可能なんだ」と断言した。

 サッカー界の多くの人がシャビの考えに同調するとは思う。ただ、ボルトの破天荒な挑戦を温かい目で見守りたいと考える人も、案外多いのではないか、とも思う。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)