ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(36)のマンチェスター・ユナイテッド復帰が決まるまで、今夏の移籍市場で最もお金を使っていたサッカーチームがどこか、みなさんはご存じだろうか。ピンとこないかもしれないが、それはアーセナルだ。

移籍情報サイト・トランスファーマーケットによると、アーセナルが今夏、移籍金を支払って獲得した選手たちの詳細は以下のようになっている。

▽DFヌーノ・タバレス(800万ユーロでベンフィカから獲得)

▽DFベン・ホワイト(5850万ユーロでブライトンから獲得)

▽GKアーロン・ラムズデール(2800万ユーロでシェフィールド・ユナイテッドから獲得)

▽MFアルベール・サンビ・ロコンガ(1750万ユーロでアンデルレヒトから獲得)

▽MFマルティン・ウーデゴール(3500万ユーロでレアル・マドリードから獲得)

この5人の合計が1億4700万ユーロ(約191億円)。一方、マンチェスターUはまだロナウドと正式サインはしていないが、ロナウドの移籍金を加えると、今夏支払った金額の合計が1億4800万ユーロ(約192億円)となり、わずかにアーセナルを上回る。

ただロナウドの移籍金は2300万ユーロ(1500万ユーロ+出来高800万ユーロ)なので、出来高をクリアできなければ結果的にアーセナルが1位となる可能性もある。いずれにしても今夏アーセナルが大金を投じて補強に力を入れていたのは間違いない。

それがふたを開けてみると、アーセナルはプレミアリーグ開幕から3連敗。得点0、失点9とまだ1ゴールも奪えず、20チーム中、最下位に沈んでいる。早くもアルテタ監督の解任が話題に上り、ブックメーカー(賭け会社)の「次のアーセナルの正式監督は?」という予想では、現レスターのブレンダン・ロジャーズ監督や前インテル・ミラノ指揮官のアントニオ・コンテ氏、前ボーンマス監督のエディ・ハウ氏らの名前が後任候補として挙がっている。

サポーターの怒りも頂点に達し、0-5で敗れた今季3戦目のマンチェスター・シティー戦では早々に席を立つファンや、マンCのゴールを喜ぶファンまで現れた。あのアーセン・ベンゲル氏も指揮官晩年には満足な結果を残せず「アーセナルを去れ」などと書かれた横断幕を掲げられたこともあったが、そのベンゲル氏の復帰を望む声もあるという。

ちなみにFWメッシやDFセルヒオラモス、GKドンナルンマなどそうそうたるメンバーを移籍金なしで獲得したパリ・サンジェルマンの今夏の出費額は7600万ユーロ(約98億8000万円)。彼らが今後ピッチ上でどのような結果を残してくれるかは分からないが、すでにピッチ外ではメッシのユニホームが爆発的に売れている。少なくともアーセナルより、パリSGの方がはるかに商才があるのは間違いなさそうだ。【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)