開幕から8カ月以上が経過した今季のスペインリーグも、あと1カ月で終わりを迎えようとしている。すでに32節が終了し、残るはあと6節、勝ち点18のみとなった。
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■バルセロナ4季ぶり優勝堅い
今季は初めてシーズン途中にワールドカップ(W杯)が開催されるという特異なシーズンとなり、前半戦は特に代表選手を多く輩出したチームが大苦戦を強いられた。バルセロナ、アトレチコ・マドリード、セビリアはW杯の影響を受けたタイトな日程をうまく乗り切れず、欧州チャンピオンズリーグ(CL)で1次リーグ敗退という憂き目に遭ってしまった。
そんな中、スペインリーグの優勝争いに目を向けると、今夏1億5000万ユーロ(約225億円)以上を投資し、レバンドフスキやラフィーニャ、クンデなどの大型補強を行ったバルセロナが、優勝に一番近いところに位置している。欧州カップ戦は2季連続で失敗に終わったが、国内リーグでは開幕から堅固な守備を武器に安定して勝ち点を積み重ね、ここまで勝ち点79を獲得。デンベレやペドリ、デヨングなどの負傷欠場が影響し、最近は取りこぼしが目立っていたが、現在、2位レアル・マドリードとの勝ち点差は11となっている。100年近いスペインリーグの歴史の中、この差を逆転したチームは存在しないため、4季ぶりとなる優勝をバルセロナが手にするのは間違いないと言っていいだろう。
■レアル6冠まだあきらめない
勝ち点68で2位につけるレアル・マドリードは昨夏フランクフルトを倒して欧州スーパーカップに優勝し、幸先の良いスタートを切った。しかし、バロンドールを受賞したベンゼマのフィジカルコンディションが安定せず、クラブ史上初となる6冠を目指す中でW杯を挟み、極めて過酷な日程に苦しみ、バルセロナに徐々に差を広げられていった。
Rマドリードのアンチェロッティ監督は第32節アルメリア戦後、「サッカーでは何が起こるか分からない。残る6試合全てに勝つことが目標だ」と優勝を諦めていない姿勢を示していた。しかし実際には、この後、オサスナとの国王杯決勝、そしてマンチェスター・シティーとの欧州CL準決勝2試合という、タイトル獲得に向け非常に重要な戦いを控えているため、国内リーグをそれらの調整の場として大幅なローテーションを毎回繰り返しているので、今後も勝ち点の取りこぼしがあり得えそうだ。
また、現地ではRマドリードのスペインリーグにおける残りの目標が現在17ゴールで得点ランキング2位に付けるベンゼマ(1位は19得点のレバンドフスキ=バルセロナ)に、2季連続の得点王を取らせることだとも報じられている。
■Aマドリード不満分子去り安定
勝ち点66で3位につけるAマドリードは、シメオネ監督と確執があり不満分子と言われたジョアン・フェリックスを、今冬の移籍市場でチェルシーに期限付き移籍させた後から安定したパフォーマンスを発揮し始め、後半戦の13節で最も多くの勝ち点を獲得しているチームとなっている。4位レアル・ソシエダとの勝ち点差が8あるため、入れ替わりがあったとしても、トップ3の座を11季連続で同じチームが占めることになりそうだ。
■4枠目は3チームに絞られた
ここ3季連続で4位の座を占めていたセビリアがシーズン序盤に早々に脱落したため、来季の欧州CL出場の残り1枠は別の3チームで争われる可能性が非常に高い。そんな中、勝ち点58で4位につける久保建英所属のレアル・ソシエダードが最有力候補となっている。
Rソシエダードは序盤、やや勝ち点獲得に苦しんだものの徐々に調子を上げていき、ここ19節連続で欧州CL出場圏内を維持。チームは1月下旬に大幅に調子を崩し、リーグ戦7試合でわずか1勝という厳しい時期もあった。しかし第26節エルチェ戦の勝利をきっかけに復調の兆しを見せ、ここ7試合で4勝1分け2敗と再び勝ち点を積み重ね、12-13年シーズン以来となる11大会ぶりのCL出場という目標に向かって前進している。久保もここまでレギュラーの座を勝ち取り、スペインでのキャリアハイとなる7得点3アシストを記録する素晴らしい活躍を見せている。
Rソシエダードは5位ビリャレアルに勝ち点5差、6位ベティスに勝ち点9差というアドバンテージを得ているが、懸念材料もある。それは残り6試合の相手がRマドリード、ジローナ、バルセロナ、アルメリア、Aマドリード、セビリアと、スペイン3強との厳しい対戦が控えていることだ。さらに直接対決2試合の結果でビリャレアルとベティスに負けているため、最終的に勝ち点で並んだ場合、順位が下になるという不利な点もある。
■残留争いのボーダーライン上昇
残留争いに目を向けると、勝ち点16で最下位の20位エルチェは残留圏内の17位バレンシアとの勝ち点差が17も開いているため、奇跡が起きない限り2部落ちは間違い。そのため降格の残り2枠を回避すべく、勝ち点4差の中にいる14~19位のチームが激しく争うことになりそうだ。
残留圏内17位の過去5シーズンの平均勝ち点は39・2だが、今回はそれよりもボーダーラインが上がると見られている。14位カディスと15位バリャドリードは勝ち点35、16位アルメリアと17位バレンシアは勝ち点33、降格圏内の18位エスパニョール、19位ヘタフェは勝ち点31と、6チームがひしめき合っている。いずれにしてもまだ勝ち点が18残るため、毎節、順位が大きく変動することになりそうだ。
今季のスペインリーグ閉幕は6月最初の週末となっているが、各チームにどのような結果が待っているか、最後までその動向を追う必要があるだろう。
【高橋智行通信員】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「スペイン発サッカー紀行」)





