Rマドリード・ジダン監督は90分間ほとんどベンチに座らなかった。選手との一体感を大事にする44歳は、ピッチ上の選手と一緒に戦っていた。選手時代は96年にユベントス、02年にRマドリードで前身のトヨタ杯を制した。思い出の舞台に監督という立場で戻って初勝利を挙げ、「前半は難しかったが、後半は良かった。決勝進出を成し遂げることができて満足している」と喜んだ。

 トップチームの指導経験がないまま今年1月に就任した。選手からの信頼を失った前監督に対して、抜群のオーラを放つ元フランス代表は、あっという間にスター軍団を束ねた。練習に参加し、現役選手負けない技術を披露して汗を流す。選手を敬い、シュートが外れようが、怒鳴ったりはしない。5月には欧州CLで優勝。選手と信頼関係を築き、「お手本であり兄弟のような存在」(ベンゼマ)として引っ張ってきた。

 4月6日の欧州CLウォルフスブルク戦から続く公式戦無敗を36試合連続(27勝9分け)に伸ばし、18日には鹿島の挑戦を受ける。「優勝をすることが目標。この大会を勝ちたい」。指揮官として欧州CL、8月の欧州スーパー杯に続く3つ目のタイトル獲得を目指す。