クラブW杯決勝、鹿島-Rマドリード(スペイン)が18日行われる。

 欧州王者は揺るがない自信を漂わせている。試合前日の17日は夕方から横浜市内の練習場で調整。FWロナルドは最後から2番目に登場した。ピッチ脇にいたOBの元ブラジル代表ロベルト・カルロス氏に笑顔で手を上げてあいさつし、軽やかな小走りでチームの輪に加わった。公開された冒頭約20分の間に行われたボール回しに張り詰めた空気はなく、DFぺぺを除く22人は笑顔でじゃれ合うなど余裕があふれた。

 準決勝では長旅に加え、ピッチ状態の理解も浅く、滑るボールの扱いに苦労したが、ジダン監督は「準備は万全だ」と息巻く。鹿島の映像も確認済みだという。「秩序があり、よく走っている」と評し、「均衡が破られるような展開にはしない」と勝負どころで強さを見せる鹿島を警戒。相手の長所を出させる前にねじ伏せる考えだ。

 クラブの威信が懸かった一戦になる。選手の市場価値を算出する専門サイトによれば、鹿島の登録メンバー23人の価値は合わせて約17億円。Rマドリードはロナルド1人で132億円だ。年間収入は鹿島の約17倍にあたる約720億円。チームの規模の差は明らかだ。加えて現在、公式戦で36戦連続無敗でクラブ記録を更新中。日本のクラブ相手に負けは許されない。

 来日してからは観光のための外出も控え、体調維持に集中してきた。指揮官は鋭い目つきで「トロフィーをとるためにきた。試合が始まったら集中するのみ」と相手がどこであろうとも慢心はない。鹿島の夢を打ち砕き、ライバルのバルセロナにあと1つに迫るチーム82個目のタイトルを日本で獲得する。【岡崎悠利】