エイバルMF乾貴士(28)が今季初ゴールを決められず、思わず頭を抱えた。

 乾はアウェーのオサスナ戦で、2試合ぶりの先発出場。左MFとして切れ味鋭いプレーでチームを引っ張った。前半7分、25分、29分と得意とする左サイドから中に切れ込んでのシュートは、すべて枠をとらえた上に良いコースへと飛んだが、セビリアから冬の移籍市場で加入したイタリア人GKシリグの堅守に阻まれた。3本目のシュートをパンチングで弾かれると、さすがに苦笑い。そして後半も7分に決定機を迎え、“4度目の正直”とシリグを抜くシュートを放ったが、今度はDFオイエルがゴールラインを割る前にクリア。乾じゃなくても頭を抱えたくなるほどゴールから見放されてしまい、後半18分にベンチへと下がった。

 試合は後半27分にFWキケ・ガルシアのゴールで先制したが、同34分に追いつかれ、そのまま1-1の手痛い引き分け。まるでボクシングのスパーリングのように、最下位オサスナを自陣に閉じ込めて攻撃を仕掛け続けたが、勝ち切れなかった。

 1点が遠い乾は「止められましたけど、運も実力のうちというか。相手GKもすごくよかった。でもシュートとしては悪くなかったし、枠にも飛んでいた。入る時は入ると思いますし、気にしないでやっていきたい」と自らに言い聞かせるように話した。その一方で、自陣でのミスから相手にCKを与えた場面を振り返り「監督にも言われましたけど、自分も反省しないと。前から分かっていたこと。(プレーの)軽さはなくしていかないと。反省して、アピールしていければいいかなと思います」と話した。

 チームは残り11試合で、勝ち点40の8位。欧州リーグ出場圏内の6位レアル・ソシエダードとは勝ち点8差あるが、乾は「ヨーロッパリーグに出るなら今日のような試合では絶対に勝ち点を逃してはいけなかった。こういうことをしてしまうとヨーロッパリーグに出られないのかなと。今の自分たちの実力、現状がここなのかと。ただ、伸びしろはあると思っている。そこをみんなでどう出していけるか」と、巻き返しに意欲的だった。(山本孔一通信員)