レスターFW岡崎慎司(31)が難敵リバプールから1得点1アシストをマークし、2-0の勝利の立役者となった。後半8分から途中出場すると、守勢だった流れを変え、同20分に泥臭い先制ゴール。同33分には追加点をお膳立てした。来年のW杯も見据え、与えられた時間で結果を出すことに前向きに臨んでいる。マン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、指揮官からも高評価を得た。

 レスターの勝因は岡崎投入だった。先発FWウジョアの負傷で、急きょ回ってきた出番。いきなりボールを奪って前線に駆け上がるなど、果敢に守備もこなすプレースタイルで、仲間にエネルギーを与えた。それまで難敵に振り回されていたチームが、攻守両面で連動性を取り戻した。

 得点も岡崎らしかった。味方が落とした球にトラップが少し流れたが、「ああいうところで入るのは、感覚的に1歩早くいけているから」DFより一瞬早くシュートに持ち込み、左隅に蹴り込む。さらにスローインからのこぼれ球を拾って運び、冷静なラストパスで追加点を導いた。

 「どんな時間帯でも力を出し切るというテーマでやっている」。ベンチスタートでも、モチベーションが下がることはないという。特にW杯を意識し「前回(W杯)もラスト20分、30分がポイントになった。そういう時に出てきて点を取る選手が必要」と続けた。

 今夏には「俺がやるべきことはここで結果を出すことだと。ある意味開き直った」と明かす。その全力プレーで試合の流れを変え、シュークスピア監督も「違いを生んだ」と絶賛。23日にはリーグ戦で再びリバプールとの対戦で「調子がいいので頑張ります」と、岡崎はどこまでも前向きだった。(山中忍通信員)