9日の独紙ビルトは「シャルケのファンがドルトムントのファンに臓器提供」という心温まる話を紹介している。
一方はドルトムントへの愛だけをもつファンと、もう一方は熱狂的なシャルケのファン。だが今回の“移籍”話には勝者しかいない。
ドルトムントファンのホルガー・ライスターさんは今年の夏にシャルケの一部を手にすることとなった。ホルガーさんは弟のミヒャエルさんから腎臓を提供してもらったのだが、ミヒャエルさんは熱狂的なシャルケファン。
ホルガーさんは「シャルケがドイツ王者の一員となる唯一のチャンスだったね」と冗談を口にしながら、「ミヒャエルにどれほど私が感謝しているか。この1年半は週に3回透析を受けなければならなかった。もうへとへとだったんだ」と心境を明かした。
ホルガーさんは05年のバイク事故で右足のひざ下が義足。「大量の投薬が私の腎臓をやっつけてしまったんだろうね」と語る。ミヒャエルさんは兄のそうした状況を知ったとき、すぐに片方の腎臓を提供することを決めた。
ミヒャエルさんは「私には子供がいないからね。万一自分が臓器提供者として必要となることもない。ホルガーに付き添って、順応テストを受けようと思ったんだ」とコメント。
最初は反対されたという。それでもライバルチーム同士を応援しあう2人はその後意見を一致させた。ホルガーは「ミヒャエルの腎臓は最初強い勢いで押し出されたんだ。そりゃそうだ。私のドルトムントの体がシャルケの一部があることにまずは慣れなければならないんだから」と冗談を言う。
2人の姿をドルトムントの、あるいはシャルケのゴール裏で見ることはあるだろうか? 「それはないよ!」と2人は笑う。