MF堂安律が所属するフローニンゲンは、ホームでヘラクレスに3-3の引き分けた。堂安は無得点で後半37分に退いた。フローニンゲンは5勝7分け8敗。ヘラクレスは6勝5分け9敗となった。

 以下、試合後の堂安律のコメント。

 

 ―アシストシーンには、今日の前半の良いところが凝縮されていたと思います

 先程、映像を見ましたが、得点の場面は、間にボールを通されてから、すごく早く切り替えが出来た。チームメートがヘルプに来てくれていたので、自分は抜かれてもいいぐらいの気持ちで強く行ったのが良かったです。最近はボールを奪ったらバックスパスするのを止めようと意識していた。その中で、ボールを奪った後、横パスじゃなくて、ノールックみたいな形でしたけれど、すぐにスルーパスでマヒに出した。あそこに出せば1対1で勝てると思った。ああいうところは良かったです。

 

 ―チームとしても、堂安選手としても、前後半の差が大きかったと思います

 前半はチームとして連動できてました。攻守の切り替えも早く、少ないパスでゴール前まで迫って行けていたので、すごいチャンスになっていて効果的な攻撃が出来ていたと思います。後半、守りに入ってしまって、練習では「コンパクトにやろう」と言ってたのですが、ズルズル下がってしまったので駄目でした。個人的には、チームとしてしんどい状態だったので、落ち着かせようと思っても何度も声をかけた。

 俺(19歳)も若いんですけれど、中盤が17歳(ライス)と18歳(ファン・ローイ)と若いので「俺ら3人で落ち着かせようぜ」と伝えてやりましたけれど、うまく出来なかったですね。

 

 ―さらに途中から入ってきたバクーナ選手は20歳

 そうですね。勝てたらもっと「すごい」と言われるんでしょうけれど、引き分けたら一緒なんで、若さの勢いをもっと見せつけれたらなと思います。

 ―若手の抜てきは、オランダはすごい

 そうですね。というか、フローニンゲンは特に若いですよね。対戦相手の年齢も、僕は結構見るんですけど、フローニンゲンのメンバーより若い選手が出てることはないから、「スゲエなあ」と思います。

 

 ―若い選手が出ることは、モチベーションになってるのでは

 負けてられないです。日本だったら話題になることが、こっちでは当たり前かのように試合に出ている。(デビューすれば)「おめでとう」と言うのはありますけれど、何か過ぎていく感じで、そんなにすごくないような感じで見受けられてるから、サッカー文化がすごいなというのはあります。

 

 ―確かにライス選手は騒がれてもおかしくないぐらい、ずっと試合に出てます

 全然、騒がれてないですよね。「アヤックスが見てる」という記事が出てました。俺が聞いたら「知らない」と言ってましたけれどね。

 

 ―クライファルト(アヤックス)も19歳です

 俺と同じ歳ですよね。あれは、すごい。自分を知ってるというか。ただ、突っ込むだけじゃなく、賢い選手。能力も高いです。アヤックスは周りの選手もすごいので、良いポジションにいて点を取ったりしてます。それもすごさ。僕もガンバにいましたから、そういうすごい選手の中で点を獲らしてもらっていたということも、正直言ってありました。だから、こっちに来て中堅のチームの難しさも感じてます。自分が変化していかないといけない。そしてマヒみたいなプレーをしないと、やっぱり注目されて上に行けないので、やるしかないと思います。

 

 ―中堅チームの難しさを説明してください

 やっぱり違いを生み出せる選手がいない。ガンバで例えるなら、僕が違いを生み出さなくてもヤットさん(遠藤)や井手口陽介選手という何か違いを作る選手がいたけれど、中堅ぐらいのチームはやっぱり守備的になっちゃうし、スプリントや運動量(が求められるよう)になっちゃう。そういう時に、俺が何か違いを生み出すようなプレーをしないといけないというのは感じます。

 

 ―違いを生み出すような選手はすぐに移籍していきますよね。この冬の市場ではイドリッシ選手(21)がAZにステップアップしました

 すごいですよね。負けれられないです。

 

 ——ガンバ大阪も育成で有名なクラブです。フローニンゲンとの違いは?

 フローニンゲンの方がすぐに使います。オランダは悪いプレーを探さないというか。ガンバで若い選手が出てきたら、ちょっと悪かったら次の試合で代えられますけれど、こっちは悪いプレー(を見る)よりも、いいプレーが1、2個続けばそこを評価されて、次の試合でまた期待してもらって使ってもらえる。オランダはそういう選手を使おうという文化が感じられます。ガンバではシビアに見られていた感じがします。僕も色々課題を与えられました。

 

 ―オランダで堂安選手は自分から課題を見つけようとして気がします。海外でやるには、そこが大事なんでしょうか

 僕は人と話をすることが好きなんです。何か課題のことを言われたら気にして、色んな人に聞いたります。誰かの話しをよく聞いて、自分もそれを若干感じたなと思ったことは直ぐに(行動を起こす)。杉本(龍勇)さんだったり、誰かを通じて専門のプロの人に出会えるので、そういう人から聞いてます。最近だったら体脂肪のこと、筋肉量のことを効きながらデーターにしたりしてやってます。ガンバの時は72キロぐらいで、今は75キロあります。僕は正直言って、あんまり筋トレをしたくなくって。「(自分のフィジカルについて)通用しているからネガティブに感じてないから、今は重たくなるのが心配」というのは言ってるけれど、体重が増えても筋肉量を上げれば問題ないらしい。だからクラブトレーナーから「77キロまで上げたい」と言われている。「プレミアとかにステップアップした時に、負けない身体を作ってあげる」と言ってもらっているけれど、そこも話し合いをしながらということで。急に上げたら俺もしんどくなるのが分かっているから、毎月毎月、(少しずつ)ノルマとしてやっていこうという話になってます。

 

 ―お尻あたりの筋肉が膨れ上がってますが、これはナチュラルなもの?

 そうですよ。何もやってないですよ。よく「律、お前、筋トレしすぎと違うか?」と言われるんです。週1回とか、筋トレしてますけれど、自分は筋トレに対してみんなよりメチャクチャ弱くって「もう、やめよう」って止めちゃうタイプなんです。それもフィジカルコーチが強制的にやらせてるから、やってるだけど、自分からガッツリ筋トレはしてないです。

 

 ―それでも3キロ増えたんですよね。練習で激しいぶつかり合いを続けると筋肉量が増えると聞いたことがあります

 そうですね。みんなも「筋トレしてないなら、普段の練習じゃないか」と言いますね。やっぱりガツガツ当たりますから。今日の試合もフィジカルコンタクトが多かった。やっぱり、試合が一番鍛えられるかなと思います。