フローニンゲンMF堂安律(20)が好調を維持した。ユトレヒト戦で無得点だったものの、決定機を演出。前半は右MFでプレーし、後半は2トップの一角に入った。前半22分には、タテパスを受けてヒールパスで相手をかわし、自らボールを奪取。ペナルティーエリア付近まで持ち込み、相手のマークにあいながらも味方FWにパスを出した。ゴールにはつながらなかったが、スタンドを沸かせた。

チームは先制を許したが、後半31分に追い付いた。勝ち点1をつかみ、公式戦の連敗は4でストップ。開幕以来、先発の座を譲らないチームの中心の堂安も「チームが調子悪い分、すごくチームのためにプレーしようと思った。この前のカップ戦みたいに、ネガティブな内容ではなかった、ポジティブな材料もあった。個人的にもチームとしてもためになる90分を終えることができたと思う」と手応えを得た。

チームが公式戦5戦勝ちなしと苦境に立つ中、堂安にはエースとしての活躍が求められる。本人も「非常に個人的なコンディションで言えば上がってきている。90分間を通して、質の高い、クオリティーの高いプレーをできるようになってきているので、あとは本当にチームを勝たせるアシストとゴールを待つだけ」と立場を理解し「そこは自分のセンスでもあるけど、ただサッカーで一番難しいところ。そんなに簡単にいかないとは思うし、我慢強く意識を向けることが大事」と、強い覚悟を示した。

9月は日本代表に初選出され、長距離移動や連戦で疲労も蓄積した。その中で、豊富な運動量を見せ続け、この日は左太ももを痛めてしまった。「時間をかけて見ないと」と状況は不透明だが、代表選手として「このような(ケガの)ケアも(今後に)つなげられているかもしれない。食事から睡眠から体につながるものは全て考えないといけない。それはプロとして当たり前。こうして、いい経験をさせてもらっている。多く経験して、たくましい選手になりたい」と、強さへの糧とした。