世界でも有名なイタリアのサッカーくじ「トトカルチョ」が長い歴史の幕を下ろすことになったと、20日の伊紙ガゼッタ・デロ・スポルトが報じた。

現在はサッカーの試合が以前のように日曜だけではなく、週によっては金曜から火曜に分散するようになったこともあり、古いトトカルチョは姿を消すことになったという。今後は新しい運営機関がつくられ、新たな形で再出発する。

同紙によると、トトカルチョは1946年にイタリア人記者マッシモ・デッラ・ペルゴラ氏が考案した。同氏はユダヤ系であるため記者協会から除籍され、捕まることを恐れて家族とともに北イタリアから逃げ出し、スイスの難民キャンプに落ち着いた。そこで敗戦を迎え、暗い世の中でイタリアのスポーツを立て直そうと考え、その経費などをつくり出すために考え出したもの。同氏はその後スイスのルガーノに住み、友人と資金を集めて賭博運営会社をつくった。成功したのは1947年以降のことで、それに気づいたイタリア政府が国営のものにし、1948年から正式に国営賭博となった。最初に全試合(当時は12試合)の結果を当てたピエトロ・アレオッティ氏は大金を得て一躍有名になった。アレオッティ氏は葬式の棺を作る仕事をしていたため、誰でも大金持ちになれるかもしれないと、イタリア人は一獲千金の夢を抱いたという。