1963年に開幕したドイツ・ブンデスリーガ。

日本人としては77年に奥寺康彦氏が初めてピッチに立って以来、ここまで45人がプレー。現在もブレーメンで日本代表FW大迫勇也がプレーするなど、日本でも広く知られる存在となった。開幕から50年以上が経過した現在も、その規模は成長の過程にある。このほど日本メディアに向けたツアーが現地で行われ、成功の秘訣をリーグ関係者が語った。

約30年。名門バイエルン・ミュンヘンの年間チケットを購入するための、現在の“待ち時間”だという。7万5000人収容の本拠地アリアンツ・アリーナで、年間チケットに割り当てられた席は実に3万8000席。にも関わらず、今から購入を希望すれば手元に届くのは遠い先だ。

ブンデスリーガの収益は、17-18年シーズンで約38億ユーロ(約4560億円)。ここ7年ほどで2倍になった。同年に年間を戦った18クラブ中17クラブが1億ユーロ(約120億円)を超える収益を上げた。放送、スポンサーも増え続けているという。

収益の柱の1つはやはりチケット売り上げによるもの。国際PRマネジャーのダニエル・パーカー氏は力強く語る。「長年の、ファンとの関係がある。ものすごく固い絆の上にいる」。昨季は年間平均観客数が5万人を超えたクラブが複数あった。そしてリーグ全体の座席占有率も90%超え。本拠地とするスタジアム規模による差こそあるものの、一定のクラブに偏ることなく高い人気を誇っている証拠だ。

国内でサッカーを国民的スポーツにすることに成功したブンデスリーガ。現在では、常にスペインリーグの動向を意識しているという。試合を国外で開催するなど、スペインで先んじて行われている取り組みについても注視している。

「これからは、世界とどうコネクトしていくか」とパーカー氏。すでにツイッターやインスタグラムなどのSNSで各国言語に対応したアカウントを運営するなど、時代の最先端といえる領域での活動も活発だ。今後のさらなる規模拡大に向けた施策が注目される。