ブラジル1部ボタフォゴに加入したMF本田圭佑(33)が、デビュー戦でゴールを決めた。15日(日本時間16日)、新型コロナウイルスの影響により無観客で行われたリオデジャネイロ州選手権のバングー戦(ホーム)にトップ下で先発し、前半28分に先制点となるPKを決めた。後半17分に交代し、試合は1-1で引き分けた。選手はマスクをつけてピッチに入場し、開催を抗議する横断幕を手に整列するなど異様な雰囲気で行われた。

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本田が幸先よく新天地デビューをゴールで飾った。前半28分にPKのキッカーを務めると、GKの逆を突いてゴール左へと冷静にシュートを沈めた。力強く拳を握り、駆け寄ってきた多くのチームメートに祝福されると笑顔を見せた。名古屋時代の05年4月28日の東京V戦でプロ初ゴールを決めてから15年で、クラブ通算100得点目の大台に到達した。

海外7チーム目の在籍で、パチューカ(メキシコ)とメルボルンV(オーストラリア)に続き3度目のデビュー戦での得点だ。有料メルマガ『CHANGE THE WORLD』で「デビュー戦は、仲間の心を一気につかむのに一番大事な場。どういう形であれ、個人的に数字を残すのが最も大事なこと」と一定の評価を下した。

一方で全体を通しては満足できる内容ではなかったようだ。約3カ月ぶりの公式戦で得点だけでなくスルーパスでも決定機を演出したが、中へ切り返した際にボールに乗って転倒。実戦不足を感じるプレーもあり「一定の手応えはありつつも、PKの得点が無かったら厳しい評価をされてもおかしくなかった。厳しい自己評価もしておくべき」とデビュー戦ゴールにも現状を冷静に受け止めた。

目標に掲げるオーバーエージ(OA)での東京五輪出場と金メダル獲得のために、少しでも多くのプレー時間を欲している。発熱で10日のデビュー戦が見送られたことも考慮されたのか、後半17分と早い段階で交代した。「僕は90分出て、その中で結果を出す挑戦をしている。交代させられる意味がわからなかったので、(理由を)聞きに行こうと思っていますけどね」と納得するまで突き詰める本田らしさも見せた。内容には不満を残すも、得点という結果を出し、ブラジルでの第1歩を踏みだした。

○…デビュー戦ゴールの本田に、現地では高評価が相次いだ。クラブ公式ファンサイトのFogaoNETはチーム単独トップの7・5点をつけ「高い能力を示し、素晴らしいパスにPKでの得点。良いデビューだった」と称賛された。現地紙グローボは「PKを決めて中盤を指揮した。優れたパスと良いプレーをした」。O Tempoは「日本人の存在がボタフォゴの質を高めることを、すぐ示した」と大絶賛だった。