アイントラハト・フランクフルトの元日本代表MF長谷部誠(36)が、ドイツ1部リーグ通算308試合出場で、元韓国代表FWの車範根(チャ・ボンクン)が持っていたアジア選手の最多出場記録に並んだ。敵地で大迫勇也のブレーメンと対戦し、後半16分の先制点の起点になるなど3-0の勝利に貢献した。長谷部ともに先発したMF鎌田大地は後半32分までプレー。大迫は同31分に退いた。

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ブンデスリーガ日本人プロ1号の奥寺康彦氏(68=横浜FC会長)が、記録を作った長谷部にエールを送った。1977年から9シーズンで当時アジア最多の234試合に出場した同氏は「大きなケガをすることもなく、常にトップパフォーマンス。それが素晴らしい」と、快挙を喜んだ。

FW、左ウイングバックとして3クラブで活躍したレジェンドは「長くやるためには、チーム内で信頼を得ることが大切」と話す。精度の高いプレーでチームを支え「東洋のコンピューター」と呼ばれた同氏らしい言葉だ。「プレーだけでなく、キャラクターなどチーム内で与えられた役割を確実にこなす必要がある。彼はまじめだから、それができたのだろう」と、長谷部の人間性も絶賛した。

来季の契約延長に「まだできるよ。さらに記録は伸ばせる」と話し、引退後に「ブランドアンバサダー」としてチームに残ることも「すごいよね。それだけ周囲から認められたわけだから」。先駆者としてブンデスリーガでプレーした同氏は、日本選手のさらなる活躍に期待して「いい手本は、若手の励みになる。長谷部が、ドイツでの日本選手の価値を高めた」と喜んでいた。【荻島弘一】