ともに6度目の優勝を目指す名門同士の対戦で、衝撃的なスコアが生まれた。バイエルン・ミュンヘンがバルセロナを8-2と粉砕した。ミュラーの2得点などで前半だけで4-1と、一方的に得点を挙げる展開で、1試合8ゴールは現行大会となってから史上最多タイ記録となった。Bミュンヘンは19日の準決勝で、マンチェスター・シティー-リヨン(フランス)の勝者と対戦する。バルサはメッシが沈黙、07-08年以来12シーズンぶりの無冠で今季を終えた。

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準々決勝NO・1の好カードが、まさかのワンサイドゲームになった。Bミュンヘンは出足から運動量、攻撃力で圧倒した。前半4分にレバンドフスキとのワンツーからミュラーが先制して勢いづき、前線からのプレスでペースをつかみ、難敵をたたきつぶした。ボール保持率は51%対49%と互角ながら、シュート数は26本対7本だった。

2得点1アシストと活躍のミュラーは、バルサ相手にこれで5試合6得点と好相性。この日が欧州CL通算113試合目でドイツ選手最多記録樹立に花を添えた。「ボールを奪ってしまえば、うちには多彩な攻撃陣がいる」と胸を張る。チームは今大会9試合で計39得点。フリック監督も「相手にプレッシャーをかけ続ければ、好機はあると思った」としてやったりだ。

同時に新鋭も輝きを見せた。19歳のカナダ代表DFデービスだ。後半18分に相手4人を次々と翻弄(ほんろう)して左サイドを鋭くえぐり、キミヒのゴールをお膳立て。速さと強さと技術と、将来性をうかがわせた。フリック監督は選手時代に大きな実績はないものの、人材発掘能力を買われてドイツ代表のコーチとなり、14年W杯優勝に貢献。選手起用にその能力が垣間見え、デービスが応えた形。スター軍団には「練習でやっていることを試合でやれ」という愚直さを求め、まとめあげた。

バルサからレンタル中のコウチーニョが残り15分間からの出場で2得点1アシストと仕事をし、試合を締めくくった。最後まで容赦せずに攻め抜く姿が「ドイツの雄」らしかった。