より多くの出場時間を求めるため、冬の移籍市場での去就が注目される日本代表MF久保建英(19)について、本人がビリャレアルでのプレー継続を望んでいるとスペイン紙アス電子版が21日に報じた。

その理由について、「ビリャレアルでの状況は夢見たものではないものの、久保はそれを学習の一環と見なし、自分の居場所を見つけられると確信し続けている」と説明している。

同紙はまた、ビリャレアルへの期限付き移籍の所属元レアル・マドリードが久保の現状を危機的状況だと考えていないため、1月の移籍市場で新たなチームを探していないこと、そして久保自身、Rマドリードに移籍要請を出しておらず、ビリャレアルでのプレー継続を望んでいることを伝えている。

一方、アス紙はすでに、中盤の要ビセンテ・イボラが13日のベティス戦で今季絶望と見られる重傷を負ったことにより、久保の状況が大きく変化しているとも報じていた。ビリャレアルはこのけがを受け、冬の移籍市場でイボラの代わりを務められる新たな選手獲得を検討しており、それを実行する場合、サラリーキャップに余裕を持たせ、現在埋まっているEU圏外枠の空きが必要になる可能性があるため、久保放出が重要になってくるという。そして久保移籍の主導権を握るのはフェルナンド・ロッチ会長とウナイ・エメリ監督であるとのことだ。

さらに、19日のオサスナ戦でエメリ監督が久保を1分間も起用しなかったことが、久保放出に向けた重要なメッセージになったことを強調している。実際、オサスナ戦は久保にとって、今季の公式戦20試合目にして初めて出番が全く与えられない試合となった。久保は今季ここまで公式戦687分間に出場しているが、これはチーム13番目の出場時間となっている。

また現在、ヘタフェなど久保に興味を示しているクラブがいくつもあるとのことだが、経済面とスポーツ面を考慮した場合、移籍先を選択するのが難しく、リスクある解決法だと同紙は見ている。

冬の移籍市場オープンまであとわずかとなっているため、今後、久保の動向により大きな注目が集まることになるだろう。(高橋智行通信員)