ローマの新監督として3年契約したジョゼ・モウリーニョ氏(58)が8日、就任以来初めての記者会見に臨み、意欲を語った。

ファンに謝意を述べた後、「決して過去を忘れてはいけないが、我々は未来を築いていきたい。今日の成功ではなく、明日の問題。持続可能なシステムを作りたい。未来への遺産を残したい。それが私がここにいる理由だ」と、ローマに新たな歴史をつくる気持ちを示した。

昨季途中でトットナムを解任されたモウリーニョ氏にとっては、11年ぶりのセリエA復帰。08年から指揮したインテル・ミラノでは09-10年シーズンに3冠を達成したが、財政難などもあって当時に比べてセリエAのレベルが落ちているともいわれている。そんな中での就任で、モウリーニョ氏は「この挑戦は私のキャリアの中で最も重要」とし、「欧州選手権の決勝進出チームにセリエAの選手が多くいる。それは質の高いリーグだということ」と、イタリア代表の決勝進出とともにセリエAの復権に手応えを感じている様子だ。 

実際に今回の欧州選手権ではイタリア代表のほか、ユベントスのポルトガル代表ロナウドをはじめ、ACミランのデンマーク代表ケアーやクロアチア代表レビッチ、インテル・ミラノのベルギー代表ルカク、スロバキア代表シュクリニアル、アタランタのドイツ代表ゴセンス、スイス代表フロイラーらが存在感を示していた。

ローマではイタリア代表MFクリスタンテとDFスピナッツォーラがいる。「50%の確率で優勝するチームの選手を抱えているというのはうれしい」と同監督。クリスタンテは出場機会が限られているが、「それだけいい選手にあふれている代表チームということ。クリスタンテは素晴らしい選手で、両腕を開いて迎え入れたい」と話した。

また、スピナッツォーラは大活躍を見せながらも準々決勝でアキレス腱(けん)を断裂し、長期離脱が想定される。「非常に残念だが、彼は前向きな若者だ」としながら、「彼にとっても我々にとっても厳しい状況。左サイドバックではカラフィオリという若い(19歳)選手がいて、彼を信じているが、それでももう1人必要だ」と、ここは苦しい胸の内を明かしていた。