16年リオデジャネイロ五輪(オリンピック)日本代表監督で、昨季までJ1ベガルタ仙台を率いた手倉森誠氏(54)が、タイ1部パトゥムの新監督として初采配を振るい、初勝利を収めた。
先月27日に指導者として初の海外挑戦となる就任内定が発表された後、今月10日に渡航。手続きを待ちながら練習と視察を重ね、今節を前に登録が完了していた。
本拠レオスタジアムの大歓声に迎えられ、顔の前で両手を合わせるタイのあいさつで感謝。前半を0-0で折り返すと、後半6分にFWジオゴが右クロスに飛び込んで先制した。同ロスタイム6分には、再びジオゴ。自ら誘ったハンドで得たPKを右足で沈めて点を加えた。
仙台やU-21日本代表監督時代に計3度、遠征したタイ。「タイトな戦いを強いられた」とライフワークのダジャレをかましたことがある地で、手堅く2-0で初陣を飾った。短い期間の中で距離感の調律に力を入れたという。会見では「そこに選手がチャレンジしてくれた」と笑顔を見せ「今日をベースに、もっともっと質を高めていこうと話をした」とロッカールームのやりとりを紹介した。
負傷者が相次いでおり「ようやく試合直前に紅白戦ができたばかり」とも明かしながら「苦しい状況の中で、よく戦ってくれた」と評価。「もう少し多く得点するところをサポーターの皆さんは見たいと思うが、今日はまず1つ勝てたことで良しとしたい。徐々に上げていければ」と語った。
昨季リーグ王者のパトゥムは現在2位。4月に開幕するアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)にも本戦の1次リーグから出場する。さらなる飛躍を期し、12年に仙台をJ1準優勝に導き、18年にはW杯ロシア大会16強の日本代表コーチを務めた手倉森氏に白羽の矢を立てた。
手倉森氏は、昨季8季ぶりに古巣の仙台復帰もJ2降格。責任を取って退任した後に、18年にU-21タイ代表監督就任を打診されたことがある縁で、同国の強豪クラブから正式オファーを受けた。仙台を立て直すため育成部門をサポートしていたが「指導者として海外でチャレンジしたいという以前からの願いをクラブにくんでもらい、快諾していただきました」と、タイに渡ることを決めた理由を説明していた。【木下淳】

