サッカーの元コロンビア代表MFフレディ・リンコンさんが13日に死去した。55歳だった。

11日にカリ市内で運転していた車がバスと衝突し、頭部に重傷を負っていた。入院先のキンテロ院長は「我々チームは懸命な努力を施したが帰らぬ人となった」とメディアの取材に答えた。

リンコンはコロンビア選手として初めてレアル・マドリードに所属した名選手。MFでコロンビアのサンタフェ、アメリカ・デ・カリ、ブラジルの強豪パルメイラス、セリエAの強豪ナポリを経てRマドリード入りした。

コロンビア代表でも「金髪のライオンヘア」で有名だったバルデラマと中盤を組み、魅惑の攻撃的なパスサッカーを展開。1990年、94年、98年とワールドカップ(W杯)に3大会連続で出場した。

中でも90年イタリア大会の1次リーグでは、その大会を制する西ドイツと対戦し、テンポのいいショートパスを武器にゲームを支配した。後半43分にリトバルスキーに均衡を破られたが、すぐさま同45分にリンコンがゴールを奪い返し、1-1の同点に持ち込んだ。この1点で決勝トーナメント進出をつかんだ。

また、1993年9月のW杯米国大会の予選で強豪アルゼンチンを5-0と粉砕し、世界を驚かせた時も主力メンバーとして名を連ねた。翌年のW杯でも優勝候補に挙げられたが、まさかの1次リーグ敗退。記憶に残る名選手だった。

国際サッカー連盟(FIFA)は公式ツイッターで「我々は世界のサッカー界の多くの人々と一緒になり、フレディ・リンコンのことを思い出しています。彼が愛した人、元チームメートや彼がプレーしたチームのファン、3度のW杯に出場したコロンビア代表チームに対し、深い哀悼の意を表します」とコメントした。