サッカープレミアリーグ・チェルシーの買収に名乗りを上げていた米大リーグ・カブスのオーナー、リケッツ家が15日、買収レースから撤退する意向を表明した。

リケッツ家は金融サービス会社シタデルの創業者ケネス・グリフィン氏および米バスケットボールNBAキャバリアーズオーナーのダン・ギルバート氏と手を組み、チェルシー買収を目指していた。

リケッツ家については米トランプ前大統領を支援するなど政治的姿勢に疑問が持たれ、イスラム教徒への差別的発言などもあり、チェルシーファンから猛反発を受けていた。だが今回の撤退はファンからの反発とは関係ないという。

同グループは「慎重に検討を重ねた結果、チェルシー買収のための最終オファーを出すことを取りやめることにしました。クラブが売りに出されるプロセスにおいて通常ではありえない変遷があり、いくつかの問題に対処できない見通しが明らかになってきたためです」などと声明を発表。「新たなオーナーの幸運を祈っています」と締めくくった。

現時点でチェルシー買収の候補として残っているのは以下の3グループとなっている。

 

●トッド・ボーリー氏&ハンスユルグ・ビース氏 ボーリー氏は大リーグ・ドジャースと米バスケットボールNBAレイカーズの共同オーナー。ビース氏はスイス人実業家の大富豪。2人の共同事業体に、バーバラ・シャロン氏(音楽専門のPR会社創業者でマドンナやフー・ファイターズ、ロッド・スチュワート、マルーン5らを担当)、ダニエル・フィンケルスタイン(英国のジャーナリスト、議員)、ジョナサン・ゴールドスタイン(英国人実業家)らも加わった。

 

●マーティン・ブロートン氏&セバスチャン・コー氏 ブロートン氏は英航空会社ブリティッシュ・エアウェイズの元会長で、プレミアリーグのリバプールでも会長を務めたことがある英国人実業家。セバスチャン・コー氏は世界陸連の会長でロンドン五輪では組織委員会会長を務めた。

 

●ステフェン・パリューカ氏 NBAセルティックスのオーナー。ボストンを拠点とする投資会社ベインキャピタルの共同会長も務める。セリエAアタランタの55%の株式を持っており、これが問題視される可能性もあるという。