ヴィッセル神戸の主将MFアンドレス・イニエスタ(37)が発起人となり、創設された会員制オンラインクラブ「オールスターズクラブ」が運営するスペイン3部(4部相当)リーグのアトレチコ・パソが、1日の最終節エルバニア戦に勝利し、優勝と来季の2部(3部相当)昇格を決めた。

大西洋のスペイン領カナリア諸島のラパルマ島にあるアトレチコ・パソは、昨年9月に島が大規模な噴火で被害を受け、ホームゲームが一時延期という事態にも見舞われた。

その際はイニエスタらも救援物資を送るなど支援。苦難を乗り越え、地元ではクラブ創立70年目の快挙に沸いているという。

「オールスターズクラブ」は2日、公式リリースで「これから来季が始まるまでの期間に補強は必須となる。スペインで挑戦したい日本人選手の発掘のためにスカウト活動をしていく予定です」と表明。「将来的に日本人選手が、アトレチコ・パソの一員としてスペイン1部を目指す中で、世界で活躍するチャンスを作っていきたい」とした。

「オールスターズクラブ」は、イニエスタが共同オーナーを務めるIT企業「アナザーディスカバリー」(神戸市)が始めたもので、昨年6月にアトレチコ・パソを買収したことを明らかにしていた。

その際にイニエスタは「今はサッカー選手として現役に集中しているが、普通ではできない経験をさせてもらっている」とオーナー業へ意欲を示した。

今月11日に38歳の誕生日を迎える元スペイン代表のスターにとっては、アトレチコ・パソの優勝はひと足早い贈り物になった。