19年8月からモロッコ代表の指揮を執るバヒド・ハリルホジッチ監督(70)が三たびW杯を目前にして解任された。モロッコサッカー協会が11日、発表した。

同協会は「W杯に向けた最終段階でチームを適切に準備することに関して見解の相違があったため、両者は円満に別れることで同意しました。代表チームの指揮を執る中で成し遂げた仕事、主に才能ある有望な若手選手の抜擢による次のワールドカップへの出場権獲得に謝意を表明しています」と円満を強調も、事実上の解任であることは間違いない。

ハリルホジッチ監督はチームの中心選手だったMFジヤシュ(チェルシー)らとの折り合いが悪く、同MFは21年6月12日の親善試合ブルキナファソ戦に出場して以来、招集されない状況が続いていた。

だが同協会会長がジヤシュをチームに戻すことを宣言。選手の側に立つ姿勢を見せ、指揮官の解任を決めた。同監督は現在、協会と退任の条件について話し合っているという。後任には元モロッコ代表DFで現在は同国1部ウィダードを率いるワリド・レグラギ監督(46)が有力視されている。

ハリルホジッチ監督はFWドログバらを擁したコートジボワール代表を10年W杯南ア大会に導いた。だが期待されて臨んだW杯本大会直前のアフリカ選手権で準々決勝敗退に終わり、解任された。また日本代表でもチームを18年W杯ロシア大会に導きながら、選手との信頼関係を欠くとして本大会直前に解任となった。同監督は4カ国でW杯出場を決めているが、本大会で指揮を執ったのは14年ブラジル大会で16強入りしたアルジェリアだけ。仏レキップ紙も「のろいのようなもの」と報じた。