サッカーの元ブラジル代表で、母国をFIFAワールドカップ(W杯)で3度の優勝に導いた「王様」ペレさんが29日、サンパウロ市内の病院で亡くなった。82歳。悲報を受け、直近の22年W杯カタール大会で自身初優勝したアルゼンチンのFWリオネル・メッシ(35=パリサンジェルマン)が追悼した。

インスタグラムにペレさんと並んだ写真を投稿し「安らかにお眠りください、ペレさん」と添えた。

ペレさんも、W杯決勝が行われた今月18日にインスタグラムでアルゼンチンとメッシを祝福。2年前に死去した同国の英雄ディエゴ・マラドーナ氏の名を挙げて「アルゼンチンおめでとう。ディエゴも笑顔のはずだ」。そしてメッシに対し「サッカーは今日も変わらぬ情熱で物語を紡いだ。メッシは、その軌跡にふさわしく初のW杯優勝を果たした」と称賛していた。

ブラジルの「10番」を受け継ぐFWネイマールもSNSで「『ペレ以前』は、サッカーは単なるスポーツだった。しかし、彼が全てを変えた。サッカーを芸術やエンターテインメントに変えた。貧しい人や黒人に声を与えた。何よりブラジルに知名度をもたらした。サッカーとブラジルの地位はキングのおかげで向上した。亡くなっても彼の魔法は残り続ける。ペレは永遠だ!」などとつづった。

18年W杯ロシア大会でペレさんの58年スウェーデン大会以来60年ぶりの「決勝10代ゴール」を達成して優勝し、今回22年カタール大会では準優勝も8ゴールで得点王に輝いたフランス代表FWエムバペも「サッカーの王様は僕たちの元から去ったけれど、彼が残したものは決して忘れ去られることはないだろう。どうか安らかに」とツイートし、レジェンドを悼んだ。

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