カタール元首相の息子であるシェイク・ジャシム・ビン・ハマド・アル・タニ氏が、マンチェスター・ユナイテッドの全株式を取得するための3回目にして最終となる入札を、28日の締め切り直前に提出した。関係者がロイター通信に語った。

シェイク・ジャシム氏の提案には、マンチェスターUを買収する金額の提示に加え、さらに多額の追加資本とインフラ投資の計画も含まれているもよう。同関係者によると、この入札はクラブの株式100%を取得するためのもので、現在クラブが抱えるすべての負債を取り除くことにもなるという。

マンチェスターUと、入札プロセスを管理する米投資銀行レイン・グループは、ロイター通信の取材には応じておらず、最終入札の詳細は明らかにされていない。

シェイク・ジャシム氏の提示額は、現オーナーのグレイザー家が設定した60億ポンド(約1兆230億円)の希望価格には届かず。英ガーディアン紙によると50億ポンド(約8530億円)程度とみられる。

マンチェスターUの米国人オーナー、グレイザー家は昨年末、正式な売却手続きを開始。これまで大手化学メーカーINEOSの創業者である英国の億万長者ジム・ラトクリフ氏とフィンランド人実業家トーマス・ジリアカス氏を含む複数の入札を受けた。

現時点で3回目の入札が明らかになっているのはシェイク・ジャシム氏とラトクリフ氏で、スカイスポーツによるとラトクリフ氏のオファーはクラブ株式の過半数を取得するためのものだという。だがラトクリフ氏のオファーでは、グレーザー家のジョエルとアブラム兄弟が何らかの形でクラブにとどまることについても提案されているもようで、これはファンからの大反発を招いている。