WOWOWは18日、サッカー、スペインリーグの放送と配信を今季限りで終了すると発表した。

公式サイト上で「2003-04シーズンからご視聴いただいておりました『スペインサッカー ラ・リーガ』は、今季2022-23シーズンの放送・配信をもちまして番組を終了させていただくことになりました。(中略)20年の長きにわたりWOWOWのラ・リーガをご視聴いただきありがとうございました。また来季を楽しみにしておられたお客様のご期待に沿うことが出来ず申し訳ございません」などとメッセージを掲載した。

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WOWOWのnote公式アカウント上には、「プロデューサーからのメッセージ」という熱い文面もアップされた。

「はじめまして。WOWOWの瀧口創と申します」との書き出しで始まる。

今回の決定、発表について「私自身、担当者としても本当に残念です」とし、「視聴者の皆さんとしても観たいリーグや試合を放送・配信するメディアが毎年のように変わる状況は、喜ばしいことではないと思います。年々、コンテンツ確保の厳しさが増す中でも、WOWOWはラ・リーガの放送を20年も続けることができ、『ラ・リーガはWOWOWで観られる』というイメージもだいぶ定着してきたと思います。それが今回崩れてしまったことは、番組の責任者としても本当に申し訳なく思っています」とまず、わびている。

そこから欧州の夜、日本の朝方の番組作りとなることも多い業務にかけてきた熱意、熱量に言及。

「WOWOWは有料チャンネルですから、地上波のサッカー中継などとは異なる付加価値を意識していく必要があると思っています。単に欧州の試合が観られるだけでなく、そこにプラスアルファがないと、お客様には満足していただけないのではないかと。そのためには、リーグやクラブ、選手たちの情報に精通していること、そして何より根底にサッカーという競技そのものへの愛情や、すべての選手たちへのリスペクトが必要不可欠だと思っています。もちろん、それは表立って宣言してきたことではないのですが、そういう部分が観ている皆さんに少しでも伝わっていたのならうれしいです」とも綴られている。

そして、サッカー中継の使命にも触れている。

「ラ・リーガの放送は終わってしまいますが、来シーズンもCLとELは引き続きWOWOWで中継させていただきます。20年間ラ・リーガの番組で続けてきた丁寧な番組作りをCLとELの放送でも活かしていくことが、まずは今の我々にできることだと思っています」

「私は、ヨーロッパの最高峰のサッカーをお届けしていくことは、ある意味、日本サッカー界の発展にも少しだけ貢献できているのではないか、と思っています。本人に直接聞いたわけではないですが、おそらく乾貴士選手や久保建英選手は、WOWOWでバルサやレアルの試合をご覧になっていたはずで、そこでラ・リーガへの憧れを抱き、『いつかはプレーしたい』という夢・目標を持たれたのではないでしょうか。20年もラ・リーガの試合を放送し続けたということは、実はそういう“種まき”を続けてきたことでもあったのではないかと」

最後には「ラ・リーガの放送は終わってしまいますが、WOWOWのサッカー番組がなくなるわけではありませんし、今回お話ししたようなWOWOWが大事にしてきたことは、引き続きCLとELの中継の中でも表現していきます」との決意で締めくくられていた。