欧州サッカー界の1年を締めくくる欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝マンチェスターC(イングランド)-インテル・ミラノ(イタリア)戦が6月10日(日本時間同11日)、トルコ・イスタンブールで行われる。悲願の初優勝を目指すマンチェスターCと13季ぶり4度目の優勝を狙うインテル・ミラノの一戦を、元日本代表DF伊野波雅彦氏(37)が予想する。

試合はWOWOWが生放送、生配信する。

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選手層、戦術の成熟度を含め、マンチェスターCが優勢に試合を進めることは想像に難くないです。マンチェスターCは序盤から一気に攻勢に出て開始20~30分で勝負を決めにくる傾向が強く、CL準決勝第2戦のRマドリード戦は前半23分、3日のFA杯決勝マンチェスターU戦では開始わずか13秒で先制していました。チームの狙いでもあると思いますし、今回もそのような戦い方ができるかが鍵ですね。

キーマンはMFロドリ。ボランチでチームのかじ取り役ですが、状況に応じてセンターバックの位置に下がり、DFの仕事ができる選手です。守備面で幅広く高い能力を持ち、気が利く彼がいるから、周囲のMFデブルイネ、MFギュンドアンら攻撃陣が変幻自在に動くことができる。DF陣も積極的にボールを持ち上がることができる。グアルディオラ監督がバルセロナ時代に重用したMFブスケツにセンターバックの能力を足したような選手です。

インテル・ミラノはマンチェスターCが攻勢を仕掛けてくるであろう開始20~30分を耐えられるかがポイントだと思います。その時間帯に先制されると失点を重ねる可能性もあります。一方で、耐えることができればチャンスはあります。

かっちりと守ることができるのは大前提で、ポイントは前線で存在感があるアルゼンチン代表のFWマルティネスです。総合力が高く、何よりドリブルなどのキープ力でタメを作ることができる。そこにジェコや途中から出場する可能性が高く一発があるルカクが絡めると面白い。

マンチェスターCは3日のFA杯決勝でマンチェスターUに勝利したことで、プレミアリーグと合わせて国内2冠を達成しました。CLで初優勝を飾れば今季3冠になります。インテル・ミラノも直近の公式戦3試合はしっかり勝ちきっています。両クラブとも流れは悪くないとは思いますが、総合力でマンチェスターCの方がビッグイヤー(CL優勝トロフィー)に近いところにいると思いますね。(元日本代表DF)