サッカーブンデスリーガのアイントラハト・フランクフルトを契約満了で退団し、セリエAのラツィオに入団した日本代表MF鎌田大地(27)が記者会見に臨んだ。

鎌田は「ラツィオのような歴史もあって、良いクラブでプレーする機会を与えてくれた強化部長だったり、会長だったり、スタッフの方みんなにすごい感謝してます」とあいさつ。自らのチーム内での役割については「去年までセリエAを代表するような(プレーヤーだった)ミリンコビッチサビッチ選手(現アルヒラル)のポジションのところで獲得もしてくれているし、みなさんからの期待も感じるし、僕にとっては簡単な仕事ではないということは理解してますけど、僕自身がここに来た理由は、ここで選手として成長できると思って来ているので。彼とまったく同じことができるとは思わないですけど、また僕は違った選手なので、僕自身のスタイルでこのチームのために、タイトル獲得だったり、良い成績を残せるように、チームの力になれれば選手としてもまた1つ上の選手になれると思うので、頑張ってやっていきたいと思います」と意欲を見せた。

以下、一問一答全文。

-セリエAで先輩の日本人選手とは話をしたのか

鎌田 日本人の選手とはそこまで話してないですかね。冨安と少し話をしたくらいで、特に先輩たちに何かを聞いたということはないです。

-加入が決まるまで長かった理由は

鎌田 一から説明するとすごく長くなっちゃうので端的に説明すると、自分が思ったよりもかなり時間がかかったと思うし、ここまで長引くのは僕自身にとっては良いことではなかったと思うので、焦る部分もあったりとか、いろんな感情がありました。でもチーム選びはすごく重要だと思ってたし、焦ってチームを決めるのは良くないと思っていたので。自分たち(鎌田や代理人ら)がやりたいチームだったり、いろんな意見があったので。契約のことだったり、いろんなことを加味して決めないとダメというのがあったので。自分が思ったよりもかなり時間がかかったなあと思いますけど、最終的にこのようなクラブに来られてすごい幸せだし、チームメートや監督も素晴らしい人たちがたくさんいるので。自分自身がここでしっかり良い仕事ができれば、ここに来たことが成功だと言えるし、そうやってしていかないとダメかなと思います。

-リバプールへ移籍した遠藤航についてどう思うか

鎌田 航くんに関してはベルギーリーグ(シントトロイデン)でやっていた時はチームメートとしてやらせてもらっていたし、代表でもすごい仲の良い選手の1人なので。30歳、それくらいの年齢であれだけ自チームでしっかり活躍していけば、あの年齢でもあのようなクラブに行けるというのはすごいことだと思いますし。年齢っていうのは今のサッカー界ではそこまで関係なくて、本当に良い選手で本当にチームから欲しがってもらえればああいう移籍ができるっていうのは、ひとついろんなサッカー選手にすごいところを見せられたと思う。僕自身もすごい感動したし、リバプールというチームに行った時にはすごいなという気持ちと、身近にいた選手なので、すごくうれしかったですね。

-今回の移籍の決断の理由は

鎌田 まず自分の中で1つの条件として決めていたのが、チャンピオンズリーグ(欧州CL)に出たい、出続けられるようなクラブに行きたいと前々から言っていて。本当にいろいろな選択肢がありましたけど、会長からの熱心な誘いだったり、もちろんマウリツィオ・サッリ監督がすごい有名な監督だし。ドイツでやっていた時はディフェンス面で多くのことを学べたんですけど、(サッリ監督は)攻撃面で多くのアイデアであったり、戦術の部分だったり、選手としてたくさん彼から学べるなと思ったのが1番の決め手ですかね。

-日本でラツィオファンは増えると思うか

鎌田 僕そんなにサポーターとか日本で人気あるタイプじゃないので、それはあまり期待しない方がいいんじゃないですかね(苦笑)。

-フランクフルトでは欧州カップ戦で特に力を発揮してきたが、その理由は

鎌田 僕自身も何でヨーロッパの舞台で多くの点が取れて、良いプレーができていたのか、正直、僕自身もわからない。僕自身が1人で何かをできるタイプじゃないので。僕自身の調子の良さ、悪さはチームの出来次第。チームの出来が良ければ僕の調子も上がっていくし、チームの調子が良くなければ僕自身も難しくなっていくのは、選手としての課題というか。特別な選手ではないので、フランクフルトでプレーしていた時はもちろん得点だったり、目に見える結果はついてきましたけど、チームとしての戦いが素晴らしかったと思うし、僕だけじゃなくて他の選手もすごい良かったと思うので。なんで僕が常にヨーロッパで良い成績を残せたのかは分からないですね。

-1-2で逆転負けしたレッチェとの開幕戦については

鎌田 自分たちが苦手意識のあるチームとの試合というのは試合前に聞いていて、すごい難しい試合にはなるだろうなとは思っていたので。ただその中でも試合自体は別に悪いものじゃなかったと思うし、実際に前半は先制点を奪うことができて。後半には押し込まれる時間帯はたくさんありましたけど。僕自身はあのまま1-0で終わっていれば何も問題なかった試合という風に捉えているんですけど。ただ2失点、最後にやられてしまって敗戦というのはチームとしては苦い開幕戦というふうになりましたけど。ただ過ぎたことだし、すべてが良い試合で、シーズン通して毎試合戦えるわけじゃないというのはサッカーの世界では当たり前で。ああいうなかなか難しい試合を勝ちきっていかないと上にはいけないし。そういう意味では良いデビューとは言えなかったですけど、個人的なプレーもまだまだ改善してくところはたくさんあると思うし、コンディションももっと良くできると思うし、もっと良いプレーもできると思う。ただ最低限、チームの戦術だったり、自分がやらないといけないことは最低限できていたと思うので。これからチームのために数字の部分だったり、いろんなところで助けになれるようにやっていきたいと思います。