FIFAワールドカップ(W杯)オーストラリア・ニュージーランド大会得点王で、イングランド女子スーパーリーグ(WSL)・リバプール入りが決定的ななでしこジャパンMF宮沢ひなた(23)が28日、海外移籍に向けた手続きのため、出国した。

出国前に取材に応じた宮沢は「すごい楽しみですし、朝すぎて実感ないですけど、(笑い)、やってくるしかないかなと」と早朝の出発ということもあり、冗談を交えながら心境を語った。

なでしこジャパンに定期的に選ばれるようになってから、海外勢との対戦が増え、「このままじゃダメだ」と海外志向が強まった。W杯でその思いはさらに強くなった。「個人としても怖い選手になるためにはもっともっと何かもう一回り成長する必要がある」。

渡航先はイングランド。WSLの名門リバプール入りが決定的となっている。「どこにしても自分らしくというのは曲げてはいけないところ。自分にとっては第1歩のところなので、自分が成長できるところに行きたい。そこにフォーカスできるところに。イメージだけでいきたくない」と話した。

W杯得点王ということで注目も集まる。この日も約20人の取材陣が集結した。「期待値が高いほどやらないとな、という思いも強くなる。期待に応えないとなと思う。自分にはいい状況なのかな」と重圧を力に変える。

目標については「たくさんの人に応援されて愛される選手になりたい。世界的に有名な選手になりたい」と掲げた。見送りには、平日の早朝にもかかわらず、家族のほか、高校時代の友人や母親の友人などが訪れた。友人からはメッセージ入りのシャツを送られていた。誰からも愛される宮沢らしい出国となった。【佐藤成】