サッカー欧州チャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメントが3月4日(日本時間5日)に開幕する。1回戦からRマドリード-Aマドリード(ともにスペイン)の「マドリード・ダービー」が行われるなど、世界最高峰の戦いが繰り広げられる。マレーシア1部セランゴールの監督で、前セルビア代表コーチの喜熨斗勝史氏(60)が決勝トーナメントを分析する。
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マンチェスターCの敗退などがあったものの、決勝トーナメントに進出したのは欧州の5大リーグの中でも上位のイングランド、スペイン、ドイツ勢が3クラブずつ。その他も国内リーグで上位につける好調なクラブが占めている。リーグのレベル、現在のチーム状態を考えると、決勝トーナメントに進出したクラブはある程度順当と言える。
冒頭で名前を出したマンチェスターCは国内リーグ4位につけるものの、昨季までと比べるとチーム状態は振るわない。イタリア勢はACミラン、ユベントス、アタランタが敗退したが、イングランド、ドイツ、スペインに比べると国内リーグ(セリエA)のレベルが下がっている現状が表れている。逆に2クラブが決勝トーナメントに進出したフランス、オランダ勢はかなり健闘したと言える。
決勝トーナメントは、やはりRマドリード-Aマドリードの「マドリード・ダービー」などのビッグクラブ同士の対決に注目が集まると思いますが、違った切り口で観戦するのも面白い。
【4バックか、3バックか】 決勝トーナメント進出クラブを見ると、4バックをベースに戦うクラブが多く、3バックをベースとするクラブはレーバークーゼン、インテル・ミラノ、ベンフィカなど数えるほどです。4バックで戦いながら、劣勢時にボランチがセンターバック(CB)の間に下りてきて3バック、または5バックのような布陣に変化するクラブはありますが、基本的に4バックは2人のCBのレベルが非常に高く、相当の運動量を誇る両サイドバック(SB)が必要になります。それほどのレベルの選手を抱えているクラブが、この舞台に進出していると言えるでしょう。この傾向が結果にどのように結びつくか。
【主軸選手の年齢層】 主軸に22~23歳以下が多いバルセロナ、クラブ・ブリュージュ(各6人)、PSV、フェイエノールト、ベンフィカ(各5人)に対し、リバプール、Bミュンヘン、Rマドリード、Aマドリードなどは平均28~29歳ほどでベテランが多い。伸びしろがある若手が既に主軸を形成するクラブか、経験豊富な選手が根幹を成すクラブか。私は昨年11月までセルビア代表コーチとして欧州トップレベルの国々と対戦しました。それこそ、スペイン代表では17歳のFWヤマルが主軸としてプレーしていました。17、18歳から20歳代前半の選手がW杯やCLのような世界屈指の舞台でプレーするのが当たり前なのが今のサッカー界です。日本の育成もレベルは上がっているとは思いますが、どうすれば、そのような選手を育てることができるのか-。考えてしまいます。
決勝トーナメントに進出したクラブに所属する日本人はDF伊藤洋輝(Bミュンヘン)、MF遠藤航(リバプール)、FW上田綺世(フェイエノールト)の3人だけです。伊藤選手が故障から復帰後に国内リーグで先発出場していますが、確実にレギュラーの座をつかんでいると言える選手はいません。日本サッカー界のレベルアップのためにも、その人数がどんどん増えていってもらいたいし、私もそのお手伝いができればと思っています。
◆放送 WOWOWで欧州CL、ELの決勝トーナメントを独占生中継する。

