<欧州CL:シャルケ2-1インテルミラノ>◇準々決勝◇13日◇ゲルゼンキルヘン

 インテルミラノ長友佑都(24)が、シャルケとの欧州CL準々決勝第2戦で走りまくった。出場停止のDFキブに代わり、左DFとしてフル出場。敗れたものの、両軍最長の1万1527メートルを駆け抜け、持ち前の運動量をアピール。地元各紙も高評価を与えた。

 満足はしないが、後悔はなかった。第1戦に2-5と大量失点で敗れた後の第2戦。FW陣は得点を焦り、守備は裏をつかれて失点した。中盤のプレスはきつく、パスも満足にこなかった。良いクロスを上げたシーンもわずか2度ほど。それでも沈むインテルの中で、長友はエネルギーのかたまりだった。両軍通じて最長距離を走った。

 「本当に前がかりにならなきゃならなかったんで。点を取られたところは正直しょうがない。後悔はしていない」。決勝点を奪われた後半36分。長友は相手FWラウルから得点を決めたDFヘーベデスへ、DFの裏をつくパスを必死になって追った。追い付くことはできなかったが、1試合を通じて諦めない姿勢が表れていた。

 翌日の地元メディアは長友を高く評価した。ガゼッタ・デロ・スポルト紙は6・5点、コリエレ・デロ・スポルト紙も7・0点と、いずれもチーム最高評価を与えた。コリエレ紙は「長友が最もコンディションがいい選手の1人であることを示した。この時期、長友なしに試合をすることは難しい」と評し、ガゼッタ紙は「先発の座から外さないように」とレオナルド監督へ“お願い”までした。

 長友は試合後、「これまで満足した試合はないんで。まだまだ自分の課題は多い。しっかり日々取り組んでいきたいと思います」と気を引き締めた。残りリーグ戦6試合、ローマとのイタリア杯準決勝も残っている。長友の今季はまだ終わらない。(山本孔一、藤井重隆通信員)