【ナッシュビル(米国)8日(日本時間9日)】日本時間12日開幕のW杯北中米大会を戦う日本代表に、また1人、心強い仲間が加わった。チームはこの日、事前合宿地のモンテレイ(メキシコ)からベースキャンプ地のテネシー州ナッシュビル(米国)に移動。公開練習を実施した。当地ではMF南野拓実(31=モナコ)が「メンター」として合流し、葛藤を乗り越えてチームを支えることにした覚悟を明かした。その思いが選手の心に火をつける。

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28人目の戦士として、MF南野がナッシュビルの地に降り立った。けがでW杯メンバーには選出されなかったが、森保監督から「メンターとして」と求められて、DF吉田に続く2人目のサポートメンバーに。「最大限のチームのサポートと、僕の経験や僕なりのアプローチで、チームに何かいいものを還元できればいい」と、与えられた役割を全うする思いを語った。

代表通算73試合26得点で攻撃の主軸として期待されながら、昨年12月に左膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負い、2大会連続のW杯出場を逃した。

「やっぱり最初の数週間はつらかった。けがはつきものだけど、このW杯に懸ける思いはもちろんあったので」

苦しい胸の内を明かすとともに、今回の同行には「葛藤もあった」と正直に話した。その中で31歳を突き動かしたのは、指揮官の強い思いだった。「今は詳しく話せない」と内容は控えたが、森保監督との対話をへて帯同要請の受諾を決断した。「このW杯で日本がいい結果を出すために、僕なりに何か力になれればいい」と気持ちを切り替えて参戦した。

結果、第1次の森保ジャパンで活躍してきたアタッカーの合流は、選手も大歓迎だ。MF鎌田は「みんなの兄貴的な存在で、いるだけでチームとしての雰囲気が明るくなる」。DF長友も「僕と似てきた。人を元気にさせるとか、モチベーションを上げるとか、そういった彼の人間的な強みを一瞬にして感じた。パワースポットみたい」と、その影響の大きさを説明した。

合流と同時にチームに変化をもたらし「今、僕がここにいるのは100%チームのため。一番優先すべきはチームのために何ができるか」と断言。ピッチに立つことはかなわないが、さまざま乗り越え、己にけじめをつけたベテランが全てを注ぎ込み「最高の景色へ」後押しする。【永田淳】

◆ナッシュビル 米南東部に位置し、日本の第1戦と第3戦の会場ダラス近郊まで約1000キロ。飛行機で2時間弱で移動できる。人口は約70万人。カントリーミュージックの聖地と言われ「ミュージック・シティ」の愛称を持つほど音楽が盛ん。人気歌手のシェリル・クロウも拠点とする。

名物料理はスパイシーでサクサクの料理「ホットチキン」。揚げた鶏肉にスパイシーオイルを塗り、辛さを5段階で調整可能だ。夫の浮気に腹を立てた妻が「超辛いチキン」を作ったことが始まりとされている。

施設は、米プロMLSナッシュビルの練習場で23年に開設。ピッチは天然芝が2面、人工芝も1面ある。ジムやサウナ、疲労回復効果のある温冷交代浴ができる設備も。日本協会の関係者によると、代表が国内合宿で使う千葉市の「JFA夢フィールド」と遜色ないレベルという。選手らの宿泊先からは車で25分ほど。