[ 2014年2月15日9時24分 ]男子フリーを終え得点を待つ高橋(撮影・井上学)<ソチ五輪:フィギュアスケート>◇14日◇男子フリー

 最後と決めた五輪で6位に終わり、前大会に続く表彰台を逃した高橋大輔選手(27)は無念さをにじませつつも「満足のいく出来ではなかったが、気持ちを込めて滑ることはできた」と笑顔でリンクを後にした。背中を追い続けた町田樹選手(23)は、5位の結果に「すごく悔しい」とくちびるをかんだ。

 ショートプログラム4位からの逆転を目指した高橋選手。名前がコールされると、日本から駆け付けたファンの「大ちゃーん」という大声援がリンクに響いた。

 ヒット曲ぞろいのビートルズメドレーに合わせ、時にはしっとりと、時には軽快に華麗な舞を披露。最後のスピンを終えると柔らかい笑顔を浮かべ「ありがとうございました」とつぶやいた。観客は手拍子をしながら結果を待ったが、メダル圏外と分かると大きなため息が漏れた。

 町田選手は高橋選手の前に登場した。ロシア人作曲のフリー曲「火の鳥」をイメージした赤と黒と金のきらびやかな衣装がリンクに映える。冒頭の4回転ジャンプは失敗したが、翼のように腕を広げたフィニッシュに大きな拍手が送られた。

 場内のスクリーンに得点が表示されるとぼうぜんとした様子。「もっといいパフォーマンスを見せたかった。たくさん失敗もあり、貴重な経験をさせてもらった」と硬い表情で振り返った。