[ 2014年2月23日9時52分

 紙面から ]金妍児はメダルセレモニーを終え、メディアの取材を受けながら涙ぐむ(撮影・井上学)

 フィギュアスケート女子で銀メダルを獲得した金妍児(韓国)が21日、五輪公園で行われたメダル授与式に出席した。授与式では笑顔だったが、銀メダルを首から下げて臨んだインタビューでは「どうしてこんなに涙が出るんだろう」と話すほど感情をあらわにした。「私にとって最後のメダルセレモニーになるので、特別な感情があった。復帰するときは非常に難しい決断だったけど、うまく大会を終えることができた」と心境を明かした。

 地元ロシアのソトニコワが金メダルを獲得した結果について、採点見直しと調査を求める署名活動が行われている。だが、金は「私はもう『終わった』ということしか思わない。私は点数に関してがっかりしていない。署名してくれるのはありがたいけど、もう終わったことなので受け入れて幸せを感じてもらいたい」と話した。3月に行われる世界選手権(埼玉)には出場せず、5月にアイスショーへの出演を予定しているという。

 ソチ五輪フィギュアスケート女子で金妍児(韓国)が2位となった採点について、韓国スケート連盟が国際スケート連盟(ISU)に調査を要請した。聯合ニュースがソチの韓国選手団の話として22日報じた。

 韓国連盟はISUのチンクアンタ会長に「(採点が)ISUの規定と手順に従って正当に行われたのかどうかの確認」を求め、同会長はこれを聞き入れたという。韓国オリンピック委員会も、採点を遺憾とする文書を国際オリンピック委員会(IOC)に送付し、IOCによる対応と公式見解を示すよう求めた。IOCのアダムス広報部長は22日、ソチでの定例記者会見で「現段階ではISUの問題」と説明した。

 金本人は「いい演技をしたから満足している」と未練を見せていないが、メディアは「世界中が本当の金メダルは金妍児だと思っている」(KBSテレビ)などと興奮気味。

 22日付の各紙は採点内容を詳細に分析し、「公正なのか」(中央日報)との見出しで報じた。フリー採点には、ロシアのフィギュア団体会長の妻と、過去に八百長判定で処分を受けたウクライナ人が加わっていたとの外国メディア報道を引用し「疑惑」を強調している。