ジャカルタ・アジア大会競泳男子100メートル背泳ぎで、入江陵介(28=イトマン東進)が今季自己ベストの52秒53で銀メダルを獲得した。  

 「金メダルを逃して悔しい。切り替えて他の種目で金メダルを取れるようにしたい」。3連覇こそ逃したが、08年北京五輪から日本代表として国際大会に出場する背泳ぎの第一人者。28歳になったベテランが健在ぶりを示した。

 現地は蚊が大量発生したり、シャワーの水圧が弱かったりと、快適な国内とは違う過酷な環境に戸惑いを隠せない選手も多い。だが、10代から国際大会を経験し、数々の修羅場をくぐってきた28歳は動じない。会場は屋根付きの半屋外プールだが「(ジャカルタは)日本よりも涼しくて過ごしやすい。半屋外ですが、アメリカはだいたい屋外プールなので影響はない。水温は気持ち、冷たいですが、外が暑いのでいいですね」。初練習では好感触を口にした。選手村の生活も「ご飯がおいしい」と、自然体で臨戦態勢を整えていた。

 不完全燃焼だったリオオリンピック(五輪)後、4年後の東京を目指し、拠点を米国に移した。年齢的にも東京オリンピックへの道程は厳しくなる。環境をがらりと変え、単身の自炊生活と自らを律して追い込んだ。その成果は着実に出つつある。