男子は、加藤学園が2時間7分27秒の大会新で3連覇を達成し、3度目の都大路切符を手にした。3区の荻野太成(3年)が区間賞の好走で先頭に立ち、4区以降のメンバーも快走。従来の記録を2分以上も更新した。女子は、常葉学園菊川が3年ぶり4度目の栄冠。両校は12月20日に開催の全国大会(京都)に出場する。

 アンカー宮本凌(3年)がゴールすると、勝亦祐一監督(44)は目を丸くした。「信じられない記録。神がかっていた」。09年に浜松日体が記録した2時間9分42秒を大幅に更新しての圧勝劇は、指揮官も想定外だった。

 1区藤曲寛人(3年)から16秒差の2位でたすきを受け、エースの荻野は「いける」と確信していた。2区の渡辺大地(1年)が3秒差まで詰め、1位浜松日体・高林遼哉(3年)の背中は目の前。3キロで追いつき、中間地点で一気に抜き去った。その後、ペースを上げ26秒差で4区小野寺の背中を笑顔で押した。

 アップダウンには自信があった。今夏、兵庫・鉢伏山で1回、富士山で2回の夏合宿を敢行し、1日最長28キロを走り込んだ。荻野も「起伏に富んだ山道を走ることで走りが安定した」と効果を実感。全員の力が底上げされ、この日走った7人全員の5キロの持ちタイムが14分台となり、大会新と6区間での区間賞獲得に結びつけた。

 急成長のチームは、都大路での活躍も抱かせる。選手も代わり、単純比較はできないが、昨年は2時間11分9秒で県を制した後、都大路を2時間8分22秒で走って25位だった。今年も同様の上積みができれば、昨年3位に相当の2分4分40秒でゴールできる計算だ。目標は8位入賞に設定しているが、荻野は「自信があります」と力強かった。【鈴木正章】