「第94回箱根駅伝 監督トークライブ」が10日、都内で行われた。

 登壇した前回大会1位の青学大から5位の神奈川大の各監督に、勝負を分けるポイントについて質問が飛んだ。青学大の原晋監督(50)、東洋大の酒井俊幸監督(41)、早大の相楽豊監督(37)が、山登りの5区を最重要ポイントに挙げ、最多となった。

 青学大・原監督 混戦になります。上り、下り…山を制したチームが有利になると思います。差がつきやすいのは上りと下り…特に上り。「神」が出れば(そのチームは)走ってくるでしょう。

 東洋大・酒井監督 往路の1、2区もポイントでしょうけど、5区と裏の7区。7、8区に主力を持ってこられるチームが優勝を争える。4区は非常に難しい。

 早大・相楽監督 私も原監督と一緒で5区。1、2区と良い流れを作るのは大事ですが(5区は)流れをリセットし、大きく変えることが出来、帰りの復路にも勢いがつく。2、5、6区…エース区間と特殊区間が重要。5区が、すごく大きなポイントになる。

 順大・長門俊介監督(33) 山(5、6区)だと思うんですけど…エース区間が終わった後の3区で、どのような流れが出来るかが結構、大事。3区で遅れるところ、エースの流れを補足できる学校は強い。悩んでいるところです。

 神奈川大・大後栄治監督(53) 開いてみなければ、分からないのが正直なところ。どこも大事。6区は復路の1区になる。そこで乗れるのが良いでしょうし…9、10区あたりで3つ、4つどもえになって抜け出す大学が、優勝となってしまうという思いもあります。

 また「意識せずにいられない大学は?」という質問も出て、10月の出雲駅伝を制した東海大と11月の全日本大学駅伝を制した神奈川大を挙げた監督が、それぞれ3人おり、最多となった。

 青学大・原監督(神奈川大、東海大、順大、山梨学院大、東洋大)レース展開を私なりに予想した。トータルでいけば東海大が非常に強い。神奈川大、順大、山梨学院大が前半にリードするんじゃないか…往路が非常に混戦になるのかなと。今年、ファンの方にとっては面白い、視聴率も高くなる。

 東洋大・酒井監督(青学大、東海大、神奈川大)勝ち方を知っている、経験している監督と選手がいるのが、何よりの強みになる。経験した選手が多いチームほど有利。青学大さんには地力でも上に行かないと勝てない。東海大は選手層が分厚く、神奈川大はエース力、結束力、勢いがある。

 早大・相楽監督(神奈川大)今日、記者発表を踏まえて神奈川大にさせていただいた。全日本大学駅伝の勝ち方を見ても、エース以外が、どれだけそつなく走れるかが大事。(エースの)鈴木健吾君以外の8人が勝ち方を示してくれた。

 順大・長門監督(中央学院大、山梨学院大)この2校の監督が順大のOB。毎回、駅伝では先輩のところに本家は負けてはいけないという気持ち。中央学院大は、ミスがないとダークホースになる。山梨学院大には、留学生のニャイロくんがいる。内の塩尻(和也)に肩を並べて走らせたい。

 神奈川大・大後監督(東海大)選手層に厚さがある。あれだけの選手を、どういう配置をしてくるのか…読めない。それを聞きたかったが、両角監督は帰ってしまった。

 大後監督は「意識せずにいられない大学は?」という質問に、ライバル3校の監督が神奈川大を挙げたことに「12年間、シードが取れなかった大学なんです。(フリップに大学名を)書いていただくだけでうれしい」と喜んだ。またエースの鈴木健吾に対する称賛の声が他校の監督から相次いだことに「30年でエースと自覚しているのは、彼だけだと思う。いいなぁと思う」と笑みを浮かべた。【村上幸将】