日本陸連は15日、都内で会見し、20年東京オリンピック・マラソン代表男女各2人を決めるグランドチャンピオンシップ(MGC、19年9月15日)の詳細を発表した。浅草、東京タワー、皇居など名所を巡る本番コースでテストを兼ねて実施。異なるのは発着場所だけで、本番の舞台・新国立競技場が工事中のため、明治神宮外苑となった。

 コースだけでなく、環境面も本番仕様だ。東京五輪は女子が8月2日、男子が同9日で、ともに午前7時前後の号砲で調整されている。MGCは本番より1カ月遅れと暑さは和らぐ来年9月15日。しかし、男女の順で午前9時台とスタート時間を遅らせ、似た条件の再現を図る。日本陸連のマラソン強化戦略プロジェクトリーダーを務める瀬古利彦氏(61)は「五輪のシミュレーション。暑い中を走れない人は本番も走れない。暑くなって欲しい」と話し、「台風だけは来てほしくない」と神頼みした。

 地の利を生かし、日本陸連も強化策を施す。8月にはコース5キロごとの気温、湿度、風などを分析。暑熱対策や戦略を考える上での貴重なデータとする。東京五輪で活躍できる資質がある者しか残れないサバイバルが始まる。【上田悠太】