国際陸連は11日、来季導入予定の世界ランキングを世界選手権(来年9~10月、ドーハ)の参加基準として採用しないと発表した。

従来通り参加標準記録を設定する。12月上旬の会議で具体的な記録を承認する予定。

国際陸連は当初、19年9月公表予定の世界ランキングと、従来とは異なる高水準の参加標準記録を突破すること、の2通りを基準とする予定だった。しかし、ランキング制の採用は協議を継続するとして見送りとなり、来季からのランキング制度導入の予定は変わらないとしている。

これを受け、日本の国内選手の来季レース予定にも影響を与えることになりそうだ。ランキング制では、同じタイムでも大会の規模によって得られるポイントが違う。そのため欧州や中東、アジアへの遠征で、レースを予定する選手が多かったが、ポイントを稼ぐ必要がなくなった。

国内の競技会の関係者は、有力選手がいないという大会の“空洞化”を懸念していた。ただ今後は調整を優先し、国内レースを選択する選手が増えることが予想され、その可能性も減少しそうだ。とはいえ20年東京オリンピック(五輪)が迫り、海外の強豪との対戦経験を重ねたい選手は多いのも事実だ。

日本陸連は来月の理事会で世界選手権の代表選考方法を発表する見通し。ランキング制を想定し、草案を作っていたが、変更を余儀なくされそうだ。