日本人初の五輪出場選手で、来年の大河ドラマ「いだてん」のモデルでもある元マラソン選手の故金栗四三氏をテーマとしたフォーラム「夢を翔ける」(主催・専大、専大玉名高)が8日、同氏の地元熊本・玉名市で行われた。

専大の佐竹弘靖教授と斎藤実教授が講演。また、ミニ講演として玉名市役所金栗四三PR推進室の徳永慎二さんが登壇し、金栗氏が生前愛用したシューズを披露した。徳永さんがかつて金栗氏の隣に住んでおり、親戚同然のつき合いをしていたことから譲り受けたもの。

金栗氏が競技会で使っていた足袋を改良し、故障防止などを目指して1950~51年に製作、日本に現存する最古のランニングシューズとされ、テレビ番組「なんでも鑑定団」では300万円の値がついたという。

金栗氏は1910年ストックホルム五輪に出場、マラソンでは熱中症に見舞われてコースから外れ「消えた日本人」として、地元スウェーデン人の間で話題になった。徳永さんは「日本人として初めて五輪に出たということは、日本人が外国人と競うのも初めてだったということだと思う」と話し、同時に「金栗先生は自分の自慢をする人ではなかった」と同氏の人柄と研究熱心さを紹介。「偉大な実績を代わりに語り継いでいきたい」としていた。