16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)男子マラソン代表の石川末広(39=ホンダ)が20日、埼玉・狭山市内で会見し、現役引退を表明した。

10日のびわ湖毎日マラソンでは途中棄権。その2日後にスタッフとも話し合い、「ここまでだな」と心に決めたという。「ホンダで17年、高校から陸上を始めた年数を入れると24年間の選手生活に区切りを打つことを決断しました。たくさんの方々に支えていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。アスリートの最高峰の大会であるオリンピックに立てたのは、皆さんのご声援、サポートがあったからだと思います。ここまで競技を続けてきたよかったと思います」と話した。

4月の新体制からはチームのコーチに就任し、前マラソン日本記録保持者の設楽悠太(27)らを育てていく。設楽は自身がリオデジャネイロ五輪を出場を決めた16年びわ湖毎日でペースメーカーも務めていた縁もある。「いい状態で(設楽)悠太と勝負したかった」とも言うが、今後は指導する立場で支えていく。設楽には「立場が変わるけど、これからもよろしくね」と伝えると「よろしくお願いします」と言われたという。

東洋大時代は「お酒が大好き」と夜遅くまで飲み、朝練習をしたこともあったといい「チャランポランだった」と振り返る。ホンダ入社2年目に日本選手権5000メートルで3位に入ったことを機に「目指せば、もっと上にいけるのではないか」と競技を最優先にする意識へ変わったという。そしてリオ五輪には日本男子マラソン史上最年長36歳10カ月で出場。順位は36位だったが、谷口浩美が持っていた従来の最年長記録を7カ月更新した。「そこを目指したわけではなかった」と意識はなかったが、息の長い選手となった。これからは立場が変わる。「これまで培った経験を伝えていき、僕自身も成長し、選手を全力で支えていきたい」と話した。

またホンダは大沢陽祐監督が本年度限りで退任し、新監督には小川智コーチが昇格する。